通関士試験を独学短期一発合格したいけれど仕事で時間がとれない社会人の勉強方法

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合格に必要な基礎的な知識をまとめてみましたので、参考にしていただければと思います。

なお、2019年度の通関士試験の合格発表がありました。
今年から科目免除に関して詳細なデータが発表されるようになっております。
このことに関しての考察は以下の記事をご覧ください。

目次

・演習ができる勉強時間を作る
・受験時の状況
・私の状況(時間的側面)
・使用していた教材
・いわゆる「標準的な受験準備期間」
・通関士試験合格のために必要なこと
・効率よく勉強する時間の確保
・合格のための基準
・合格したときのメリットを意識する
・周囲にながされない
・合格率にながされない
・自分のスタイルを確立する
・最優先課題はセオリーを知ること

演習ができる勉強時間を作る

私は仕事をしながらも通勤時間(隙間時間)を工夫して有効活用することで、通関士試験に6ヶ月弱の短期間の独学で、一発合格することができました。

実質的な勉強時間は、400時間程度です。

内訳は以下のようになります。

「平日は1時間程度」
「週末(土・日)は6時間程度」
「通勤時間で毎日1時間程度」

仕事をしながら通関士試験の勉強時間を作ることは非常に難しいと言えます。

なぜなら、後述するような「算数」に良く似た演習を必要とする試験科目が存在するからです。

社会人の場合は学生の頃と違って、机に向かって勉強する十分な時間が確保できません。

それは、「演習」を必要とする勉強時間を確保するのが圧倒的に難しくなるからです。

通関士試験で合格をするためには『いかに「演習」ができる勉強時間を作れるか』ということが、特に社会人にとっては重要な課題になってきます。

そのようなことから、

『「演習」ができる勉強時間があなたの現在の状況下でどの程度作りだせるのか』

という「受験時の状況」を分析することは非常に重要です。

受験時の状況

上述のように、受験時のあなたの状況を知ることは自分の勉強方法を模索する上で非常に重要な要素となってくるでしょう。

なぜなら受験時の状況は誰一人として同じではないからです。

したがって、個別的なあなたの状況を加味せずに「誰かの合格体験談」を模倣することは現実的ではありません。

各自の状況によって合格へのアプローチの仕方は異なるものになってくると考えておくべきでしょう。

私の場合は、時間的な制約からボリュームのある予備校や通信講座の講義を受ける余裕がないと判断して独学で受験することにしました。

ボリュームのある講義を受けて安全・確実に合格を目指したいと考えていたとしても

状況(時間的な側面)次第では「独学」という選択を迫られる方も多いと思います。

仕事で十分な勉強時間を確保することが難しい社会人にとっては、

そういった岐路に立たされて判断を迫られることが多いと思います。

そんな岐路に立たされた時には何が自分にとって最適な合格手段(学習方法)か吟味して選択しなければなりません。

自分に最適な学習方法を選択する上で重要になってくることは、

まずは

「各自の状況を把握して、どのような学習スタイルを選択すべきか考える」

ということです。

そこで、重要になってくるのが以下に述べるような「時間的な側面」です。

私の状況(時間的な側面)

ここで、独学受験を決断した私の時間的な側面について簡単に説明しておきます。

通勤時間は往復で1時間程度で、車での通勤だったので隙間時間を利用するのが難しい状況でした。
残業や研修もあって、腰を据えて勉強する時間は平日は1時間程度しか確保できませんでした。
週末でも、研修や一人暮らしの家事などで6時間程度の勉強時間を確保するのがやっとでした。

1人暮らしをしていたので、家事にも時間を取られ集中的に勉強に割く時間はありませんでした。

使用していた教材

使用していた教材などについての詳細は、以下の記事よりご覧ください。

いわゆる「標準的な受験準備期間」

私の受験期間を見て

6ヶ月と言うと、短期間ではなく「標準的な受験準備期間」ではないか?

と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

確かに、大手の通信講座が「標準的な受験準備期間」として掲げているのは、
1日2時間程度の勉強時間で約6ヶ月です。

ただ、この勉強時間はそう単純なものではありません。

この説明には、「座って勉強する時間が確保できる人」という主語が抜けているのです。

通関士試験は暗記すれば良い法律科目だけでなく、

「通関実務」という実務科目があります。

この「通関実務」で得点するためには、

「与えられた資料(書類・表など)を分析して必要な情報を拾い出し、電卓を叩いて計算して解答を導き出すこと」を要求されます。

つまり、この「通関実務」の対策をするには、

冒頭で述べたような

「算数」のような「演習」を必要とする勉強時間の確保ができなければ合格レベルに到達することはできないと言えます。

このため、たいていの教材や勉強方法は

「座って勉強する時間が確保できる人」という主語が抜けているため、あなたにとって最適なものかどうかは判断し辛いと言えます。

要は、ネット上に溢れている合格体験記や勉強方法は、たとえ業者が作成したものであったとしても

「標準的な受験準備期間」は人それぞれの状況次第で大きく変わってくる

という大前提が抜けていることが多いと言うことです。

例えば、

「定時に帰れて通勤時間も短時間である」とか「会社が試験合格のために勤務時間を配慮してくれる」といった方の場合は時間的な側面から見た状況は問題ないと思われます。

しかし、

1人暮らしであるとか、家事や育児をしていると言った事情がある場合は、一概に6ヶ月が標準的な受験準備期間だとは言えません。

そして、近年は出題形式や出題傾向も変化してきており、通関士試験の難易度が上昇傾向にあると言えます。平成18年度を境に合格率が2桁を切る年も増えてきました。

こうした背景にあるのが「通関実務」の難易度が顕著に上がっていることが挙げられます。

受験期間を左右する「通関実務」という科目の難易度が上がっている」

これが、昨今の合格率低下の大きな原因だと言えます。

ここで、 平成30年度(第52回)通関士試験の結果について税関ホームページを見てみましょう。

第52回通関士試験の結果について

この年の合格率は14.6%(前年21.3%)でしたが、着目すべき点があります。

それは通関実務の合格基準が「満点の50%以上」に引き下げられていることです。

合格基準は、例年3科目そろって「満点の60%以上」ですが、この年は引き下げられています。

この年は、あまりにも通関実務の難易度を上げ過ぎたため合格者数を調整するために合格基準が引き下げられたのではないかと日本関税協会が解説するとともに、通関実務対策の重要性を強調しています。

このようなことからも、通関実務の攻略がいかに難しいか理解できると思います。


それでは短期での独学で合格を目指すことは難しいのか?

と言うと、そんなことはありません。

後述の通り、

効率よく「座って勉強できる時間」を確保できれば6ヶ月程度の期間であっても合格が可能であると言えます。

通関士試験合格のために必要なこと

・効率よく勉強するための時間の確保

効率よく「座って勉強できる時間」を確保するには、どのようにしたら良いのでしょうか?

社会人は特に時間をどうやって有効活用するかが重要となってきます。

家事や育児に追われている人も同様のことが言えます。

結論から言うと、隙間時間をいかに有効活用するかだと思います。

「通関実務」に取り組む時間を捻出するために、様々な隙間時間を有効活用する方法を用いることで着実に合格に近づくことができます。

この隙間時間を有効に活用して合格を目指す方法は他の試験にも活用できます。

他の記事でご紹介している学習方法を使ってTOEICの点数を600点台から730点まで上げた実績もあります。

勉強方法に関連する記事を読んで、参考にしてみてください。

他にも「勉強方法」のカテゴリー内におすすめの方法があります。

・合格のための基準

通関士試験の合格基準は、「各科目の正解率が60%以上※」となります。

(※合格基準が前述の通り引き下げられる年もあります)

各科目ごとの正解率であり、3科目全てをあわせた合計の正解率ではないことに注意してください。

例えば、「通関業法」と「関税法等」という科目で満点が取れていたとしても、「通関実務」で50%しか取れていない場合は不合格になるということです。

仮に満点が100点だと仮定した場合、2科目で満点を取っても、ある1科目が60点に届かなければ不合格になるということです。

これは、得意科目を作っても合格には影響しないが、苦手科目を作ってしまうと不合格に限りなく近づくと言い換えることもできるでしょう。

結局は「各科目の正解率が60%以上」を目指す勉強方法が、「一発合格するための基準となる勉強方法」だと言えます。

このことに関する記事も書いていますので、参考にしてみてください。

「試験情報」のカテゴリー内に記事があります。

・合格した時のメリットを意識する

貿易に関係する仕事に従事する上で、法律的な知識と通関実務(貿易実務)に関する知識を身につけることは重要です。

さらに、貿易に関する唯一の国家試験に合格したという実績は、社内的にも対外的(顧客・税関など)にも信用を上げ、自分の市場価値を高めることにも繋がります。

実際に転職にも有利になってきます。

詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

そして、たいていの会社では月に1万円から2万円程度の資格手当の支給があると思います。

せっかく通関に関する業務に携わるのであれば早めに合格するに越したことはありません。

合格したら手当てがもらえるという方は自力で毎年もらえる給与額をアップさせられるということになります。

15年でいくらになるか計算してみてください。
豪遊しなければ、ヨーロッパに夫婦で旅行に行けるぐらいのお金になると思います。

通関士に合格すると様々なメリットがあることを意識しましょう。

また、短期間で合格すればするほどメリットが大きいということを意識できれば主体的に勉強に取り組めるようになるはずです。

・周囲に流されない

私は、毎日のように残業があったので思うように勉強時間が取れませんでした。

休日に会社の研修などがあると、さらに勉強時間が減ります。

そんな折、ある方(以下、Aさん)が私に教えてくれたのが科目免除に関することでした。

Aさんは、2回ほど試験に不合格になってからは科目免除を利用して合格することに決めていたそうです。

「実務経験を積んで科目免除を受ければ、ほとんど勉強しなくても合格できる」とAさんは言っていました。

上司がそれを聞いて「今は余計な事を教えなくてもいい」とAさんに言っていたのを思い出します。

ちなみにこのAさんですが、通関実務に携わりながら15年という歳月をかけて通関士試験に合格されたそうです。

当然ですが、15年間資格手当ては支給されていません。

この話を聞いて、あなたはどのように思われますか?

ここではあまり突っ込んでは書きませんが、短期合格を目指すのであれば科目免除の話は頭の片隅に追いやる覚悟が必要となります。

「科目免除」で合格することは悪いことではありません。

科目免除と言う制度がある以上は、それで合格することには何ら問題はありません。

ただし、

法律はころころと変わるので、いつ廃止になってもおかしくないのが「科目免除」であるということを考えておく必要があると思います。

そう考えると、一刻も早く通関士試験に合格することを目標にした方が良いのではないでしょうか?

また、毎年教材を買い換えたり、出願をして受験会場まで行って試験するまでの費用を考えると時間的・経済的なロスが毎年生じることになります。

毎年教材を買い換える必要性については、重要なセオリーとも呼べることですので、以下の記事を参考にしてみてください。

短期合格を目指す上では、特に知る必要のない科目免除ですが、合格率と併せて考察しておくべきだと考えて記事を書いています。

科目免除についてもう少し知りたいという方は、関連記事を読んでみてください。(「試験情報」のカテゴリー内に記事があります。)

・合格率に流されない

みなさんは通関士試験の合格率をご存知でしょうか。

令和元年度(2019年度)は13.7%でした。

直近の5年(平成27年~令和元年)の合格率平均は約13.9%となります。

難易度が高い試験だと思われますか?

短期合格や独学は無理だと思われますか?

そんなことは決してありません。

上述の通り、6ヶ月程度効率よく勉強ができれば合格可能だと言えます。

もし、合格が難しいと考えているならば、

それは、「合格率という数字に流されているだけ」かもしれません。

合格率の他にも、願書だけ提出して試験会場に現れない受験者の数がほぼ毎年2,000人を超えるといった数字を見ても驚かれると思います。

ひとつ言えることは、

「真の難易度」について知らずに「合格率」という数字に流されて諦めてしまうのは、もったいない

ということです。

真の難易度や合格率に興味がある方は関連記事をお読みください。

通関士試験の難易度の真相!科目免除と合格率の関係について(2019年度)

さらに詳しく知りたい方は「試験情報」のカテゴリー内に記事があります。

・自分のスタイルを確立する

まずは、状況を分析した上で「戦略」を立て、その戦略を遂行するために具体的な「戦術」を用いることは戦争やビジネスでも重要になる考え方です。

受験も同じではないでしょうか?

まずは、自分の個性や状況を分析し、

自分にとって最適かつ現実的な学習スタイルという「戦略」を立案し、

「戦略」を現実的に遂行するための、自分の状況に合った「戦術」を用いる

この一連の行動ができれば、

最後まで諦めることなく勉強を継続し、厳しい状況の中にあっても合格という戦果を挙げることができるでしょう。

ただし、試験の合格率だけに着目すると

10人中9人は不合格になる可能性のある国家試験です。

「個性や状況に合致した効率の良い勉強方法」を見つけて実行できなければ、不合格になる可能性もあります。

不合格になった場合はそれで終わりではなく、翌年も受験勉強を継続していくことになります。

不合格になってしまっても、自分のスタイルが確立している人は、原因究明をして翌年に向けて気持ちを切り替えて再起できる強さがあります。

これに対して、

ぶれぶれの戦略(学習スタイル)で挑むことになってしまった方は、どこを修正すれば翌年は合格することができるのか反省しきれず、原因究明ができないまま前年同様のスタイルで受験継続してしまう場合があります。

「学習スタイルに誤りはなかったのか?」「教材は適切だったのか?」などを分析しないまま受験継続してしまうと、

翌年は合格できるのか心配になり、精神的に不安定な状態になってしまうものです。

そういった不安定な状態に陥ってしまった時には、買い換える必要のない教材を買い換えてみたり、

逆に買い変える必要があった教材を継続してしまう場合があります。

その教材について他人から「信頼が置ける」と聞いていた場合はなおさらでしょう。

「信頼と実績がある」と言われている教材でも実際に使ってみると試験では得点が伸びないものがあります。

「狂ったコンパス」のような、ただただ周り道をさせるだけの教材が売られている場合もあります。

しかし、そういった類の教材は、自分の状況を分析してみると、自ずと選択肢には入らなくなります。

たいていは、時間的な状況から考えて、上述のように「各科目の正解率が60%以上」を目指す勉強方法を念頭に置いて教材を検討するようになるでしょう。

ただし、教材選びとは別に

どのような勉強方法を用いて「正解率60%以上」を目指すのかを考える上では、自分自身の個性や今の状況を分析した上で、自分にとって最適な学習スタイルを見つけて選択することは、現実に即したやり方としてやはり重要です。

このことに関しては、読み進めていくうちに、最適な学習スタイルを選択することができるように意識して記事を書いています。

しかし、何はともあれ、まずはセオリーを知るということは重要なことです。

・最優先課題はセオリーを知ること

昨今の登山ブームの再燃の影響なのか、滑落や行方不明といった山岳遭難事件を耳にすることが多くなってきました。

登山の世界では、「セオリーを知らずして山に登ろうとすると頂を極めるどころか下山すらできず遭難事故に遭う可能性が高い」と言えるでしょう。

どの分野においても、知らないと危ういセオリーというものが存在します。

通関士試験でも同様に、受験セオリーを知らなければ高い確率で不合格(遭難事故)に直面することになるでしょう。

遭難事故を起こすと、しばらく山に登れなくなってしまう方もおられるようです。

合格する上で知らないと話にならないセオリーを知ることは最優先課題です。

まずは、以下の記事を読んで最重要かつ最優先課題であるセオリーを知った上で、短期一発合格に最適な学習スタイルを選択できるようにしてみてください。

⇒私のプロフィールはこちらをご覧ください。

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名前:スギモト 通関士試験(平成18年度)を6か月の勉強期間を経て短期合格しました。 通関士試験に短期で合格するための情報を集めてみました。 通関士試験合格を目指す方のお役に立てれば幸いです。