通関士試験で独学短期一発合格する上で古いテキストを使う危険性について

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「通関士試験を受ける際に、何年か前の古いテキストを使っても大丈夫か?」という質問をネットでされている方を見かけます。

また、古いテキストや問題集がフリーマーケットで売っているのもよく見かけます。

今回は、そういった古いテキストや問題集を使う危険性について書いてみました。

目次

1.古いテキストは危険
2.毎年変わる出題範囲
3.施行日について
4.自分で調べられるのか?
5.専門家に任せるべき
6.途中で法改正が入った場合
7.まとめ

1.古いテキストは危険

結論から言うと、古いテキストを使うのは、危険なのでやめておいた方がいいでしょう。

なぜなら、法改正や、出題傾向の変化、出題形式の変化などに対応できないからです。

特に、「法改正」について対応ができなければ致命的と言えます。

「法改正はないだろう」などと考えて、古いテキストを使うということは、出題範囲も知らないまま試験に挑むことと同じです。

実際には、「法改正」に関連して、通関士試験の出題範囲は毎年変わっていると言えます。

そのことについては、通関士試験の受験案内を見れば分かります。

2.毎年変わる出題範囲

「第53回(令和元年・2019年度)通関士試験受験案内」を税関のホームページで見てみると、以下のようになっています。

まずは、赤字にした部分を見てみてください。

2 試験の日時と試験科目
⑴ 試験の日:令和元年10月6日(日)
⑵ 試験科目及び時間
試験科目時間
《1》通関業法:9:30~10:20
《2》関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法(同法第6章に係る部分に限る。):11:00~12:40
《3》通関書類の作成要領その他通関手続の実務:13:50~15:30

「その他関税に関する法律」とは、具体的には次のものをいいます。①関税暫定措置法(昭和35年法律第36号)②日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律(昭和27年法律第112号)③コンテナーに関する通関条約及び国際道路運送手帳による担保の下で行なう貨物の国際運送に関する通関条約(TIR条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律(昭和46年法律第65号)④物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関条約(ATA条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律(昭和48年法律第70号)⑤ 電子情報処理組織による輸出入等関連業務の処理等に関する法律(昭和52年法律第54号)これらの科目の出題範囲は、法律のほか、それぞれの法律に基づく関係政令、省令、告示及び通達とし、令和元年7月1日(月)現在で施行されているものとします。《1》及び《2》の科目においては、前記の法令、告示及び通達以外の条約等(TIR条約、経済連携協定等) は、出題範囲に含みません。なお、通関業法に規定する通関業者に係る出題については、関税法第79条の2の規定において定義する認定通関業者に係るものを含みます。
出典:税関ホームページ「第53回通関士試験受験案内」

赤字にした部分を見てみると、7月1日で施行されているものが出題範囲となることが分かります。

このようなことから、2019年度の通関士試験の出題範囲を確定させるためには、2019年7月1日に改正され施行される関係法令がないか確認する必要があると言うことになります。

同時に、受験案内が毎年更新される度に、通関士試験の出題範囲は毎年変わっていると言えます。

特定の日(ここでは7月1日)に施行される法令改正についての情報を毎年仕入れて分析しなればならないとも言えます。

3.施行日について

そして、「法改正」で重要なことは、「7月1日に施行されるもの」となっている点です。

なぜ重要かと言うと、公布日と施行日を勘違いすると、それが原因で失点につながる可能性があるからです。

たいていの法令の施行については、「公布の日から起算して20日を経過した日」と基本的には決まっていますが、特別に定めれば、公布の日から施行することもできるとされています。

例外もあるので、その辺りのことも踏まえて調べる必要があります。

詳しく知りたい方は、以下のサイトをご参照ください。
ウィキペディア:施行

4.自分で調べられるのか?

出題範囲に含まれる法令の多さや、施行の日によって出題範囲に入るかどうか判断しなければならない点からも、自分で調べることは、煩雑かつ時間を要する作業となります。

また、その法改正が、試験問題とどのように関係してくるか総合的に見る力も必要になります。

法改正については、貿易業界に身を置いておられる方は、常識的にフォローしていると思います。

ただ「通関士試験の出題にどう影響するのか」を踏まえて考えることのできる方はそれほど多くないかもしれません。

また、会社内やネット上に、法改正を踏まえた本年度の試験対策について教えることができるという人がいても、その情報を安易に受け取ってよいものかどうかは精査する必要があると思います。

5.専門家に任せるべき

施行日を踏まえた法改正のタイミングの他にも、法改正が試験にどう影響するかについても考察する必要があります。

それは、やはり長年の実績と経験に裏打ちされたプロの知識を頼るのが良いと思います。

餅は餅屋と言います。

この手のことに関しては、専門家を頼るようにした方が無難です。

信頼の置ける予備校や通信講座、テキストを選んでいれば、自分で探す手間や分析する時間をかける必要は省けます。

ちなみに、法改正の情報などは、個人が運営しているサイト上の情報を頼るべきではないと思います。

仮に、運営者が1年以上サイトの情報を更新できないような状態に陥った場合を想像してみてください。

ネット上の情報は「更新日」に十分に注意する必要があることは、「通関士試験の独学短期合格勉強方法を調べる方法」にも書いた通りです。

6.途中で法改正が入った場合

「年度の途中で法改正がなされ、施行日からみて出題範囲に入ってしまった」という場合は、どうしたらよいのでしょうか?

そういう場合も、予備校や通信講座、一部のテキストは、必ず法改正についてお知らせするといった「特典」を設けています。

そちらを定期的にチェックするようにしましょう。

もちろん、法改正について自分で調べることも可能ですが、相当な時間と労力を要するので、おすすめしません。

税関のホームページの「所管法令一覧(改正を含む)」に行って、「上記の所管法令等の改正状況は以下のとおりです。」と書いてある下に並んだ改正状況をチェックするなどすれば、調べることはできるでしょう。

しかし、法改正について調べるだけでは不十分であり、法改正が試験の問題にどのように絡んでくるのかも判断する必要があり、初学者や未経験者では難しいと言えます。

上述の通り、専門家に任せるべき領域だと思います。

7.まとめ

「古いテキストを買う」ということは危険です。

「古いテキストを売る」のもやめた方がいいでしょう。

次の年の受験を考えているが、時期が悪く最新版が出版されていないと言う場合は前年度のものを買って早めに対策を始めるのも良いかもしれません。

ただし、以下の点に注意をしてください。

「法改正が調べられる「特典」の有効期限が切れていないもの」

例えば、以下のテキストの場合は、次のような「特典」が付いています。

読者特典

法改正追補(2020年3月末まで公開)
2019年(第53回)試験の法改正ポイントは、2019年7月上旬に、次のホームページからダウンロードできます。なお、上記ダウンロード期限は予告なく変更になることがあります。あらかじめご了承ください。
出典:通関士完全攻略ガイド2019年度版

ただし、この特典は、2019年(第53回)試験の法改正ポイントであるため、それ以降のことまでアップデートはしてくれないと思うので、次年度版が出版されれば、必ず買い換えるようにしましょう。

ちなみに、上記のテキストの場合は、毎年12月頃には最新版が発売されます。

以上のようなことを念頭に置いて、来年度の受験を目指される方は、自分に合ったテキストを購入するようにしてください。

なお、問題集の重要性については、以下の記事が参考になると思います。

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名前:スギモト 通関士試験(平成18年度)を6か月の勉強期間を経て短期合格しました。 通関士試験に短期で合格するための情報を集めてみました。 通関士試験合格を目指す方のお役に立てれば幸いです。