通関士試験の概要について

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言うまでもないことかもしれませんが、いつ変更があってもおかしくないので、
税関のホームページを併せてご確認ください。

特に受験される年度の受験案内に関しては確実に目を通すようにしてください。

目次

1.通関士試験について
2.通関士創設の背景
3.通関士とは
4.受験手数料等
5.通関士試験の試験科目等
 5.1.試験科目
 5.2.出題範囲の注意事項
 5.3.出題形式
 5.4.合格基準
6.通関士試験の日程
 6.1.受験案内の配布
 6.2.受験願書の提出
 6.3.試験実施日程
 6.4.合格発表
7.合格率について
8.科目免除について
9.最後に

1.通関士試験について

財務省から確認を受けて、通関士として働く上で合格しなければならない国家試験です。

通関士として必要な知識及び能力を有するかどうかを判断することを目的としています。

試験問題は財務大臣が決定するものであり。

試験は税関が主体となって実施する形となっています。

税関は財務省の地方支部局という位置づけです。

受験資格について、学歴、年齢、経歴、国籍等についての制限はありません。

貿易系で唯一の国家試験となっているため、貿易に関係する業務を担当する方は合格しておくと、プロフェッショナルとして転職や人事考課で優遇される場面も多いでしょう。

通関士手当てが付与される会社もあります。会社によって額は異なりますが、月に1万円~2万円程度が相場と言われています。

2.通関士創設の背景

通関士は貿易系で唯一の国家資格となっていますが、その創設の背景を簡単にご紹介します。

1960年代に入り、コンテナ船などの運用が盛んになり、貿易取引量の増加と効率化が一気に進み、通関という手続きに関して迅速な対応を迫られるようになりました。

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通関とは、

貿易において貨物を輸出もしくは輸入しようとするときに、税関に対して貨物の詳細を申告して、必要な検査を受けた後で、輸入の場合は関税などの必要な税金を納付して、税関から輸出入の許可を受ける手続きのことです。

貿易量の急増によって、このややこしい通関手続きを大量かつ迅速に行わないといけない事態になったのです。

そこで、国が収めるべき税金を決定する賦課課税方式から、

納税者に自ら申告させる申告納税方式に移行することとなります。

これを受けて、昭和42年(1967年)に通関手続を適正かつ迅速に実施していくために「通関業法」という法律を新たに施行して、通関士制度を創設したのです。

この制度によって、通関業者に対して、税関に提出する一定の書類を通関士に審査させるように義務付けました。

3.通関士とは

通関士とは、上述の通関士制度を維持する上で重要な存在であり、

通関業務の適正かつ迅速な実施を確保するために存在している国が認めたプロフェッショナルと言えます。

ただし、他人の依頼によって通関業務を行えるのは、あくまで通関業者とされています。

通関士として働くには通関業者に就職して、財務大臣に届出をする必要があります。

通関士試験に合格しても「通関士」を名乗れる訳ではありません。

通関業者という国から信用を得た貿易の専門業者に雇用された上で、さらに財務大臣の確認を受けないと通関士という専門職に就くことはできません。

4.受験手数料等

受験手数料として3,000円分の収入印紙が必要です。

写真(1年以内に撮影した規定のサイズ)も必要です。

受験願書を取寄せて、簡易書留等で郵送する手数料の合計は1,000円程度必要です。

試験会場は全国に13箇所しかありません。

したがって、
交通費の関係から、
受験費用は受験会場が近くにあるか、
遠くにあるかによって変わってきます。

受験会場からかなり距離が離れている場合は、
前日に宿泊する必要も出てくると思います。

上記の内訳としては、

受験手数料:3,000円
通信費用:1,000円程度
写真代:1,000円程度

これに受験会場までの交通費、食費、電卓や筆記用具などの費用が必要となってきます。

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自宅から遠い場合は宿泊費用も必要になります。

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5.通関士試験の試験科目等

5.1.試験科目

①通関業法

②関税法等(関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法(同法6章に係る部分に限る。)

③通関実務(通関書類の作成要領その他通関手続きの実務)

(当サイトでは「通関業法」「関税法等」「通関実務」として記載しています)

5.2.出題範囲の注意事項

(第53回・令和元年(2019年)度の試験の場合)

科目の出題範囲は、

令和元年(2019年)7月1日現在で施行されている法令とされています。

↑重要です。)

7月1日より後に改正・施行される法令に関しては出題範囲外となります。

5.3.出題形式

マークシート方式で、以下のような出題形式となっています。

①通関業法

選択式、択一式

②関税法等

選択式、択一式

③通関実務

選択式、択一式、計算式、選択式・計算式

「選択式」とは文章の空欄に当てはまる語句を選択肢より選ぶ形式と、

5肢の中から「正しいもの」または「誤っているもの」を複数選択する形式となります。

5.4.合格基準

合格基準は、各科目ごとに60%以上となっています。

55%に下方修正される年もありますが、基本は例年60%となっています。

「3科目全体で60%以上」ではなく、「各科目ごとに60%以上」と設定されています。

つまり、1科目でも60%を切る科目があれば、不合格となります。

仮に、関税法等、通関業法で満点を取っても、通関実務で40%しか正解できていない場合は不合格となります。

それぞれの科目の問題の正解率が60%で合格となるということです。

得意科目を作っても合格には影響しないが、苦手科目を作ってしまうと不合格に近づくと言い換えることもできるでしょう。

このことは試験対策をする上で、非常に重要となってきます。

6.通関士試験の日程

6.1.受験案内・受験願書の配布

7月上旬から8月上旬(受験申し込み締め切り日まで)に配布しています。

郵送により請求することも可能です。
受験願書受付期間に間に合うように早めに請求しましょう。

受験願書は以下の13箇所の税関で配布しています。

北海道、新潟県、東京都、宮城県、神奈川県、静岡県、愛知県、大阪府、兵庫県、広島県、福岡県、熊本県、沖縄県

なお、上記の場所に試験会場が設置されます。

全国で13会場しか受験会場はないということです。

6.2.受験願書の提出

税関ホームページには、「7月下旬から8月上旬に2週間程度受付しています」と記載されていますが、

「受験案内が配布される時期を知り、
速やかに願書を出さないと、
2週間で締め切られ、受験できなくなる」

と認識しておいた方が良いでしょう。

受付案内配布から願書の締め切りまでの時間は非常に短いので注意が必要です。

(第53回・令和元年(2019年)度の試験の場合)

7月22日(月)から8月5日(月)まで

郵送なら8月5日の消印有効。直接税関へ提出するなら、午前10時から午後5時までとなります(日曜祝日は除きます)。

なお、以下の税関では、括弧内のどちらかの試験地を選択して願書を提出することになります。

東京税関(新潟県・東京都)

横浜税関(宮城県・神奈川県)

名古屋税関(静岡県・愛知県)

神戸税関(兵庫県・広島県)

輸出入・港湾関連情報システム(NACCS)を利用することも可能ですが、
システムを利用している会社に所属していない方は関係ありません。
ちなみにNACCSシステム経由で願書を提出すると2,900円になります。

会社でNACCSを運用している場合は
先走って願書を郵送したりすると
無駄な費用が出ますので、ご注意ください。

6.3.試験実施日程

例年ほぼ10月上旬の日曜日に実施されます。

上述の通り、受験会場は全国に13箇所しかありません。

試験会場まで距離があって宿泊が必要な場合は、土曜日の宿泊となるので予約は取りにくいと言えます。

大きなイベントと試験日がバッティングする場合は、要注意です。

イベントがある場合は、税関ホームページに案内を載せていますが、そういう場合は半年以上前から予約が埋まっていたりするものです。

試験会場まで距離があって、宿泊が必要な場合は、

受験すると決心したらすぐに宿泊先も決めて予約するようにしましょう。

さらに、この時期の注意点として、暖かい日もあれば、気温がぐっと下がる日も出てくるということです。

受験地や天候次第では寒暖差の激しい時期となります。

季節の変わり目で体調管理に注意が必要であると言えます。

6.4.合格発表

合格発表は、11月下旬か12月上旬に行っています。

税関ホームページで合格者番号を確認できます。

また、官報で合格者氏名を確認できます。

合格者に対しては、受験地を管轄する税関から通関士試験合格証書が送付されます。

また、合格者の氏名が官報に掲載され、合格者受験番号が試験実施地を管轄する税関の主要な官署に掲示されます。

官報はインターネット上でも閲覧可能です。

「官報」「通関士試験合格者」で検索すると該当のページを見ることができると思います。

7.合格率について

合格率は、
直近の10年で見ると、
11.7%で推移しています。(2019年現在の状況)

第1回通関士試験から現在までの
全体平均は15.4%となっています。

出典:税関ホームページ 過去の通関士試験合格者数等の推移(第1回~第52回)

科目免除に関する合格率や、受験願書は提出しているものの試験を受けない人の数の多さなど、興味深い数字がありますので、以下の記事で是非ご確認ください。

合格率の「低さ」から受験をためらう気持ちは減ると思います。

8.科目免除について

通関業務に関する実務経験が5年あれば1科目免除され、

実務経験が15年あれば2科目免除されるというものです。

科目免除は、短期合格を目指す上では関係のない話ですが、
気になる方は以下の関連記事をご覧ください。

9.最後に

特に受験される年度の受験案内に関しては確実に目を通すようにしてください。

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名前:スギモト 通関士試験(平成18年度)を6か月の勉強期間を経て短期合格しました。 通関士試験に短期で合格するための情報を集めてみました。 通関士試験合格を目指す方のお役に立てれば幸いです。