通関士試験の難易度を知るための科目免除に関する合格率の調べ方

2019年度より、科目免除に関する合格率を税関がホームページにて発表するようになりました。
したがって、当記事のような方法を用いて調べる必要がなくなりました。知りたい方は、以下の税関ホームページをご参照ください。

第53回通関士試験の結果について

なお、2019年度の科目免除と難易度(合格率)の関係について考察をしています。ご興味があれば、こちらをご覧ください。

通関士試験で本当の意味での難易度を知る上で、科目免除者の合格率を知る必要があります。

難易度が高く見える(合格率が低い)背景には「科目免除」の影響があるのかもしれません。

今回は、その科目免除者と全科目受験者に関する個別的な合格率の調べ方を書いています。

どうやって、調べているのか疑問に感じた方は、読んでみてください。

自分自身に関わる純粋な合格率を知ることができるので、知っておいても良いかもしれません。

ちなみに、「科目免除」自体に関する知識は、これから通関士試験を受験される方で「5年以内を目途に合格を目指す方」や「今後通関業務と関わりがない方」は必要ない知識です。

なぜなら、実務経験年数に応じて科目免除が受けられるため、通関実務と関わりがない方には無関係ということになるからです。

さらに、通関実務に関わっている方も5年以内に合格を目指すのであれば、科目免除は関係のない話となります。

科目免除に関する合格率の調べ方

2019年度より、科目免除に関する合格率を税関がホームページにて発表するようになりましたので、以下をご参照ください。

第53回通関士試験の結果について

また、以下の記事にて、2019年度の科目免除と難易度(合格率)の考察をしていますので、ご覧ください。

1科目免除者と2科目免除者の内訳(人数と合格者数)を調べることができれば、1科目免除者と2科目免除者の合格率を個別に調べられます。

上記、科目免除者の内訳と合格率が分かれば、科目免除なしで合格される方の内訳と合格率を知ることができます。

具体的な調査方法は以下の通りです。

科目免除者と全科目受験者は、以下のように、受験番号で識別できるようになっています。

1000番台:2科目免除で受験された方
2000番台:1科目免除で受験された方
3000番台以降:全科目受験者(3科目全てを受験された方)

それでは、順を追って説明します。

税関のホームページで通関士試験の項目を見てみると、受験者数とその内訳が出ており、科目免除で受験した方の人数が分かります。ちなみに以下の税関ホームページより、第52回(平成30年度)の試験結果で調べてみました。

出典:税関ホームページ 第52回通関士試験の結果について

上記ページを開くと以下のようなデータが出てきます。

通関業法(昭和42年法律第122号)第27条の規定に基づき、平成30年10月14日(日)に実施された第52回通関士試験の結果の概要は、下記のとおりです。

1.受験者数・合格者数等
受験申込者数:8,491人(前年比 98.4%)
受験者数:6,218人(前年比 95.1%)
 [うち試験科目の一部免除を受けた者]
 1科目免除:607人(うち公務員で免除を受けた者 9人)
 2科目免除:130人(うち公務員で免除を受けた者34人)
合格者数:905人(前年比 65.0%)
合格率:14.6%(前年  21.3%)

出典:税関ホームページ 第52回通関士試験の結果について

次に、以下のページを開くと合格した方の受験番号が分かります。

出典:税関ホームページ 第52回通関士試験合格発表

例として、函館税関だけ以下に抜き出してみました。

◆函館税関(試験地:北海道)
1001 1003 1004

2001 2002 2003 2006 2008 2020 2027 2030

3006 3011 3028 3069 3110

出典:税関ホームページ 第52回通関士試験合格発表

このデータで、以下のことが分かります。

函館税関管轄内で合格された方は、16名

2科目免除の1000番台の方が3名合格

1科目免除の2000番台の方が8名合格

科目免除なしの3000番台の方が5名合格

上記の要領で、すべての受験地から合格者数を分類しながら拾っていくと、1科目免除者・2科目免除者・全科目受験者の合格者数が分かります。

これで、個別の合格率を出すことが出来ます。

こんな細かい数字まで出して自分の合格率を知る必要はないと思われる方もおられるかもしれません。

確かに合格された方にとっては、それほど重要なことではないかもしれませんが、これから受験される方にとっては合格率が気になると思います。

税理士や司法書士の試験では、受験して合格になった科目が翌年に「科目免除」の対象となります。

それに対して、通関士試験の「科目免除」は通関実務経験さえあれば、最大で2科目が科目免除となります。しかも、最も難しい実務科目と法律科目の2科目がその対象となります。

もともとは通関士制度はなかったのですが、関税の申告納税制度への移行に伴い 昭和42年に制定されたという歴史的な経緯から見て「通関実務経験者」は科目免除によって「通関士」資格を取得できるようにする必要性があったのだと思われます。詳しくは、以下の税関ホームページをご覧ください。

出典:税関ホームページ 通関士制度の概要

科目免除と合格率のことを知って「受験意欲が低下してしまった方」や「不平等感を持たれた方」は以下の記事をご覧ください。

ABOUTこの記事をかいた人

アバター

名前:スギモト 通関士試験(平成18年度)を6か月の勉強期間を経て短期合格しました。 通関士試験に短期で合格するための情報を集めてみました。 通関士試験合格を目指す方のお役に立てれば幸いです。