ブログやYouTubeを見ていると、ネット上の広告を目にする機会が増えてきました。
通関士試験に関するブログでもネット広告は必ず入っています。
当サイトもネット広告を入れさせてもらっています。
今回は、ネット広告にまつわるちょっと怖い話について書いてみたいと思います。
目次
1.ネット上の広告
2.ステルス・マケーティング
3.予備校ではなく独学?
4.陰謀論
5.世の中にはいろいろな人がいる
6.欠落した部分
7.まとめ
1.ネット上の広告
私が最近良く見るYouTubeのチャンネルは登山に関するチャンネルが多いのですが、多くのチャンネルが専門性が高く、非常に有益な情報を提供してくれていると感じています。
チャンネル登録をしていて実際に会ったことがある方や、質問に対して丁寧な返信をしていただいたYouTuberの方の動画に広告が入っていても、最近は敢えて見るようにしています。
その理由としは、
「命に関わるような必要性の高い情報が織り込まれた動画であるから」
「専門性の高い情報を提供しているYouTuberに対して、尊敬の念も込めて何らかの貢献がしたいと思うほど心が動かされることがあるから」です。
活動資金が増えればもっと有意義な情報や感動させられる動画を提供してくれるかもしれないと期待するからという理由もあるかもしれません。
さて、ネット広告についていろいろと書いてきましたが、
「私もアフィリエイトリンクを貼っている記事もありますので、励みになるので、クリックしてやってください」とお願いするために書いている訳ではありません。
2.ステルス・マーケティング
本題に入りますが、
まったく広告がないブログや、アフィリエイトリンクが貼られていないブログでも、裏でお金が動いている場合があることをご存知ですか?
私は、最近、知人から聞いて初めて知り驚きました。
例えば、ある予備校と直接契約していて、読者を予備校に受講させるように誘導するブログを書くだけで、アフィリエイトリンクなどを貼らなくても一定額の報酬が発生するというような直接契約の形があるそうです。
なぜ、そんなややこしい形の契約方法を取るかと言うと、
両者にとって以下のようなメリットがあるからだそうです。
ブログを書いている方には、宣伝なしで私利私欲のためにはやっていませんというイメージを読者に与えることができます。
予備校などの企業にとっては、非常に効率の良い広告をピンポイントで打つことができるというメリットがあります。
いわゆるステルスマーケティングというものです。
ステルス・マーケティングとは、消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為をすることです。
3.予備校ではなく独学?
さらに、その話には続きがあります。
知人から聞いた
「合格体験ブログを書いて、予備校に誘導している」
というブログにはアフィリエイトリンクなどはなく、
「私は一切の見返りを期待せず、私の合格体験が役に立てば良いと言う一心で書いています」
と言ったスタンスで情報を提供している訳ですが、
予備校に誘導する上での合格体験記は
「予備校を使って合格した」
と宣伝しているのではなく、
「独学で短期合格した」内容を書いてあるようです。
4.陰謀論
それは何を意味するのか?
そう考えると1つの考えが私の頭の中に浮かびました。
「独学で短記合格できるという可能性を示して、時間に余裕のない社会人をターゲットにして淡い期待を抱かせ、ろくに準備期間も残されていない段階から難解な教材で試験勉強に着手させ、1年目は失敗させた上で、2年目に受験する際には予備校に誘導する」
というやり方です。
もちろん読者は、一切の広告を排したブログを見て「いい人」と信用しきっているので、ある種の信者のようになっている訳です。
これは私の邪推かもしれませんが、
「独学合格体験記」を書きながら、予備校に誘導するというのは、上記のような考えが浮かんでもしょうがないと思いませんか?
この考えが間違っていなかった場合、その「独学合格体験記」を参考にすると、必ずどこかで失敗するようにできていると考えても良いのではないでしょうか?
推薦している教材が、大多数が推薦する教材(テキスト・問題集)よりも癖のある予備校が出版しているようなものであれば、教材の整合性の観点からますます怪しいと言わざるを得ません。
教材の整合性が非常に重要なのはどの資格試験でも言えることです。
「教材の整合性」について、多くの方が記事にしていると思いますが、読者の方はそういった記事を見るたびに、策が補強されることになります。
5.世の中にはいろいろな人がいる
登山やキャンプ関係のブログは製品の紹介をしていれば、もちろんアフィリエイトリンクを貼っていることがほとんどです。
その製品情報は信頼のおける人が書いてあり、必要性があれば、それが直接リンクだろうと、アフィリエイトリンクだろうと、迷うことなくクリックするでしょう。
専門性の高い情報を集約してネット上でまとめてくれているだけで有難い上に、わざわざ登山専門店に行かなくても良品が通販で手に入ることから時間と交通費など諸経費の節約にもなります。
ただし、ネット上の情報は、やはり精査する必要があると言わざるを得ません。
世の中にはいい人ばかりではないのです。
悪魔は天使の顔をしてやってくると言われます。
6.欠落した部分
仮に上記のような陰謀論のようなブログが実在するとします。
そのような陰謀を回避するには、どのようにしたら良いのでしょうか?
私が想像するに、
そういった人を陥れようとする陰謀には、ある欠落した部分があるように思います。
例えば「個別的な状況」の要素が欠落した記事を書いて1年目は失敗するように誘導しているかもしれません。
クラウゼヴィッツの戦争論にはこのようなことが書いてあります。
「結果が大事であるとはいえ、勝敗だけでは戦役の検証にならない」
勝利(合格)という結果こそ最も重要な基準となりますが、その勝利(合格)の原因が何であったか検証なしには、その人の下した判断が正しかったとは一概には検証できないと述べています。
合格者がどのような状況下で合格したのかを事細かに調べてみないと、何の参考にもなりません。例えば3ヶ月の勉強期間で合格していたとしても、定時で帰れて通勤時間も少なく独身で実家暮らしだったならば比較対象にならないかもしれません。
受験者ひとりひとりの個別的な状況検証が先になければ、なんの参考にもなりません。
また、クラウゼヴィッツはこのようにも述べています。
「条件の相違を無視して古代の戦争を口にするのは、誠実さを欠くものだ」
これは、現行の戦争を語る時にも、古代の戦争の例を出したがる歴史家が多い事を批判した言葉だそうです。
私も含めて合格者全員に当てはまる内容ですが、合格したときの条件の相違を無視して考えるのは不誠実だと言えるでしょう。
試験の出題傾向や問題形式も変化してきていますので、その辺を踏まえて試験勉強について語るのは当たり前ですが、
その人の個々の時間的な制約や予備知識など「1人として同じではない個別的な状況」を無視して試験勉強についてアドバイスすることは不誠実極まりないと言えるのではないでしょうか?
さらに、クラウゼヴィッツはこのようにも述べています。
「やたら難しい専門用語は無内容で、自己満足の道具だ」
専門用語をやたらと使うとその用語によって何を意味しているのか曖昧で分かりにくくなるとともに、自己満足に陥る場合があるので、極力さけるように述べています。
専門用語が散りばめられた文章を読んで「権威がある」と感じたり、誤魔化されたりしていませんか?
7.まとめ
すべてのサイトの情報は活用する前に精査するようにした方がいいでしょう。
特に個別的な状況に配慮しているか、
やたら難しい専門用語を多用したり、専門用語にやたら詳しい説明を加えて権威的に振舞って時間を浪費させようとしていないかなどを注意した方が良いかもしれません。
ちなみに、上記の個別的な状況とは以下の記事に書いてあるようなことです。