合格に必要な基礎となる知識を簡単にまとめてみました。
これは独学や短期一発合格といったことに関係なく必要な知識です。
前回は以下の記事「悪問」でした。
今回は「法律用語」です。
目次
1.通関士試験で必要な法律的な知識
2.どこまで掘り下げるのか?
3.公式とはならない
4.まとめ
1.通関士試験で必要な法律的な知識とは?
通関士試験のテキストを開くと、すぐに目に飛び込んでくるのが法律用語ではないでしょうか?
法律を学んだことがない方は、法律の条文ならではの言い回しや用語に戸惑うかもしれません。
通関士試験で要求される法律的な知識とはどの程度のものなのでしょうか?
もしそれを把握できていないならば、試験範囲を知らないまま試験勉強に取り掛かるようなものかもしれません。
通関士試験では、法律について、どこまでの知識が必要なのかを知った上で試験勉強にとりかかることは非常に重要なことになってきます。
2.どこまで掘り下げるのか?
通関士試験の法令に接する際に、
ある方は条文を「理解した」と思えるまで、法律的な知識についての勉強を先にしたいと思うかもしれません。
その一方で、条文は日本語として意味は理解でき、関連する問題も解けるので良しとして、先に勉強を進めていく方もおられると思います。
おそらく短期合格される方は、後者のタイプだと思います。
運転免許で例えると、後者は、普通免許を単純に取得するようなものですが、
前者は、タクシードライバーになる訳でもないのに、「二種免許」を取るための勉強をした上で、普通免許を取得するようなものです。
通関士試験でみかける法律用語は、主に行政法に関連するものが主体となります。
その法律用語を一言一句ていねいに根本から理解できるように勉強すると、行政法に関しては、司法試験に合格できる基礎的な知識が備わっているかもしれません。
3.公式とはならない
数学や物理が得意な理数系の方は、法律用語について詳細に調べようとする傾向があるかもしれません。
「法律」と聞くと一見きっちりと白黒つくように思うかもしれませんが、時と場所によりころころと変わる曖昧なものです。
例えば、明治時代の刑法で規定されていた「尊属殺(親などの血族を殺害した場合に罪が重くなるという規定)」が1973年まで適用されており、1995年の刑法改正まで条文が残っていたという話をご存知の方もおられるかもしれません。尊属殺に関する規定はローマ法を起源としていますが、今でも韓国や中国、フランスといった国々では現存しているようです。
また、法律の条文が、英語やドイツ語ではなく、日本語で書かれているという言語的な面からも曖昧であると言えるでしょう。
英語と比べて、国語の授業を苦手とされていた方は思いあたるところがあると思います。
ひとつの法律用語を理解できれば、応用が効き、公式として使えるように思いがちですが、実は曖昧で例外が非常に多く、きっちりと使いこなすまでに至るには、途方もない時間を要すると考えた方が良いでしょう。
法律用語の知識をつけることはテキストを読む際や、問題を解く際にストレスを感じにくくなるという点では役に立ちますが、その知識に頼りすぎると思わぬ落とし穴に落ちることもあるとも言えます。
通関士試験に短期で合格するためには、問題を多く解いて、きっちりと記憶すべきところは記憶するという姿勢が重要です。
例えば、「許可」や「承認」などの法律用語の意味を詳しく知り、ストレスなく問題文が読めたと思っていても、例外があるために解答できない可能性があるということを常に頭の片隅に置いておく必要があります。
4.まとめ
法律用語について、納得が行くまで、事細かに調べていくことは、いろいろな意味でロスにつながる可能性があります。
法律について学ぶことは、決して無駄であると言っているのではありません。
通関士試験に短期で合格するという目標がある場合には、必ずしも必要がないと言っているだけです。
ただし、法律に関して知っておいた方が良い最低限の知識もあります。
そういった知識については、一定の範囲内で学ぶことが重要ですので、以下の記事をご覧ください。
通関士試験の独学短期一発合格に必要な法律知識について(1)法令・公布・施行
次回は、貿易用語です。