仕事でも覚えなくてはいけないことがたくさんある社会人が、通関士試験に合格するためには、とにかく時間を効率よく使うしかありません。
着実に基礎から積み上げていくことは大切ですが、短期合格を目指す上では取りあえずチェックしておかなければならない部分があります。
当たり前のことかもしれませんが、テストに良く出る部分です。
司法試験などとは違ってマークシートで6割取れれば合格です。
まずは、完璧主義になりすぎないようにして、よいリズムでスピードにのってサクサクと学習を進めていくのがいいでしょう。
短期合格を目指す上では、絶対に覚えなくてはならない法律(関税法・関税定率法・通関業法など)の重要条文に関しては、意味をきっちり理解できなくても、まずは頭に入れて「知る」という作業を進めていく必要があると私は思います。
さて、そこでサクサクとスピーディーにどこが重要かを「知る」にはどのようにするのが効率的なのでしょうか。
私の場合は、まずは参考書を分からなくても一通り読みました。拾い読みしたと言ってもいいかもしれません。特にテストに出ない部分は「豆知識・雑談」程度に考えて読み飛ばしました。(「関税割当」など実務では重要な項目が試験では「豆知識・雑談」レベルです)
それから、テストに絶対出る部分から優先的に録音していきました。それを何度も聞いて、慣れてくると再生時間を早めて倍速再生で繰り返し頭にインプットしていきました。
この私が使っていた録音学習について考察してみました。
録音時間についての考察
最初の録音時間は短めから初めて、どんどん伸ばしていけば良いと思います。
といっても、細切れで短く録音していっても最終的には自然と長時間録音教材となってしまいます。
これを聞くのはけっこう疲れます。初めのうちは20分から30分程度の録音時間にして、録音するときも聞くときも負担のないようにしましょう。
通関士の試験勉強がおもしろくて仕方ないと言う方は時間無制限でどんどん録音してどんどん聞いていけばいいと思います。
ただし、あまり通関士の勉強に興味がないという方は、負担のないように短時間から始めることをおすすめします。
集中力が続く時間というものが個人個人であると思うのですが、それが勉強となると私の中でだいたい30分前後でした。
熱心に(嫌々ながら)聞き取ろうとすると30分でも私は大変疲れました。
ただ、聞きなれてくると疲れがなくなって、今度は早く聞き流したくなります。そこで、再生速度を上げていくと、2倍速で30分集中して聴くと情報量は2倍の1時間分を聴いたことになります。これが倍速学習の不思議なところです。皆さんも一度ためしてみてください。
倍速再生についての考察
倍速再生を取り入れると、摂取する情報量が飛躍的に増えます。
私の場合は、あまり早口でもなく、頭の回転が速いほうでもありませんので、
難解な法律用語が混じる条文は、慣れてくるまではゆっくりと着実なペースで読むことしかできませんでした。
しかし、録音したものを2回ぐらい聞き流して慣れてくると、遅いと感じるようになりました。
これを打開するために、できるだけ早口で録音しようと努力した時期もありましたが、私の場合は噛み噛みになるだけで、録音しなおすだけ手間が増えていきました。
そこで、倍速再生機器を取り入れてみると、いとも簡単に聞き取れない速度まで早口にすることができました。
それからは、自分が聞き取れるちょうどよい速さを探りながら毎日聞いていました。
単純に60分録音して2倍速で聞くと30分ぐらいで終わりとなります。
これは、相当な時間短縮と情報摂取量の増加につながりました。
倍速学習の副次効果について
私は脳を活性化させるとか、情報処理能力を上げるとかは、当時はどうでもいいというか、そんな作用があるなしに関わらず、有無を言わさずにこの倍速というものを使わざるを得ませんでした。
なぜなら仕事をしていて、残業もあったため勉強に割く時間がほとんどなかったからです。(私が早口で録音できないという理由もありましたね!)
いかに速く、いかに多くの情報を限られた時間の中で暗記するかが、合格できるかどうかの鍵だったと思います。
ただ冷静になって当時のことを振り返ってみると、この多くの情報を短期間で処理するということは、非常に重要だと思いました。
それは、通関士試験では、見直しも含めてスピーディーな情報処理能力を求められるからです。
倍速学習に関して、情報処理能力の向上という観点から見てみても良い影響を与える可能性が大きいと思われます。
いろいろネットで調べてみると情報があると思いますが、代表的な例を以下ひとつ挙げます。
「倍速再生については、左脳のウェルニッケ野という言語をつかさどる領域を刺激する認知症対策としても昨今知られるようになり、脳を活性化してシナプス伝導を活発にする作用があるとも言われています。」
通関士試験合格を目指して勉強している方にとっては、まだまだ認知症対策など必要ないとは思いますが、脳を活性化させて情報処理能力を高めることは、試験問題を素早くこなしていくためにも重要です。
また、普段の仕事のパフォーマンス向上にもつながるかもしれません。
特に、通関実務問題ではスピーディーな情報処理能力がなければ、確認作業(見直し)をする時間がありません。
もし、模擬テストや問題集を解いていて、見直しをする余裕がないと感じた方は、やってみる価値はあるのではないでしょうか。
録音学習の副次効果について
録音しておいたものを試験会場にいく前に聞くと、手軽に復習することができます。先に述べた通り、倍速で聞くとかなりの情報量となります。
仮に試験会場に着く前にもやもやポイントが出てきても、持っていった参考書などで見直しすることができます。
それに加えてかなり重要な効果としてメンタル面の強化につながると思います。
要は、「自分がこれだけやったんだ!」という自信につながります。
このメンタル面への影響は重要だと思います。これについて述べると長くなりますので、また別の機会にしようと思います。