合格する上で自分に合ったスタイルは見つかりましたか?
今回は独学について見ていこうと思います。
今回の分類に関しては、以下の記事を読んでもらうと分かりやすいと思います。
上記記事では、山岳登山の例えで、シージ・スタイルとアルパインスタイルを挙げましたが、
簡単に言うと、「長期・安定型」と「短期・速攻型」に分類して考察してみたということになります。
今回は「短期・速攻型」の独学について、強みとウィークポイントに分けて詳しく見ていきます。
目次
独学の持つ2つの「かなり大きな強み」
独学の持つウィークポイント
独学の持つ2つの「かなり大きな強み」
短期・速攻型として分類していますが、通関士試験の受験日まであまり時間が残されていない初学者の方にとっては、賭けとも言えるのが独学かもしれません。
ただし、通信講座や予備校と比較すると、様々な強みを持っていると言えます。
ただし、独学のほとんどの強みには個性や状況に左右されるという「ただし書き」が付くことになると思います。
①時間的な側面で「かなり大きな強み」がある
時間的な側面に着目してみると、自分のペースで学習を進められるため、信頼のおけるテキストや問題集を選択できれば、最も短期間で合格レベルまで到達できる可能性があります。
ただし、「個性や状況」に大きく左右されると言えます。
この点に関しては、以下の記事を参考にしてみてください。
あなたの「個性や状況」が独学に適合していれば、時間的な側面から見て、「かなり大きな強み」を持っているのが独学と言えます。
逆に、「個性や状況」が適合していなければ、「かなり大きな弱点(ウィークポイント)」となってしまう可能性もあります。
独学が時間的な側面で大きな強みを発揮するには、当サイトに書いてあるような通関士試験に関する必要最低限の情報収集ができた上で、信頼のおけるテキストや問題集を選択して、学習計画立案・進捗管理が自分でできることが前提になると思います。
当サイトを読んで、全て当たり前のことを書いてあると思われた方は、もうすでにコツを掴んでいる方だと思います。
もし、書いてある情報について「そんなはずはない」と疑問に思われて、法律用語や貿易専門用語について深入りして勉強したりするようなことがあれば、短期合格は難しいかもしれません。
このサイトで書いてあることは、通関士試験に合格する上で当たり前のことを書いているだけです。
例えば、英検1級と英検2級で求められる単語力のレベルには大きな差異があります。
英検2級を合格するために、英検1級の単語力を身につける必要はありません。
通関士試験もこれと同じです。
通関士試験で必要な法律用語や貿易専門用語、英語、通関実務などに関して適切に対処できないならば、
独学はおろか、予備校や通信講座を利用しても6ヶ月や1年程度の期間では合格できないかもしれません。
この記事を最初に目にされた方は、以下の導入記事より読み進めていけば、問題なく通関士試験に関する情報収集ができると思います。
②経済的な側面で「かなり大きな強み」がある
経済的な側面に着目すると、予備校や通信講座と比べて最も費用がかからないといえるでしょう。
あくまで私が調べた範囲ですが、予備校が20万円程度、通信講座は5万円程度、独学でいろいろな教材に手を広げなければ、1万円~2万円程度でしょう。
最も費用がかからないと言うことは、心理的な負担が最も軽いとも言えます。
この費用の低さは以下のような効果をもたらします。
(a)最悪不合格となって翌年も受験継続する場合、買い替え費用が低く抑えられます。
(翌年は買い替えをする理由は、法律改正に対応する必要があるからです。)
(b)独学で、自分に合ったテキストに出会えなくても、他のテキストに切り替えることが容易にできます。
ただし、(b)に関しては、以下のような方は、要注意です。
・テキストを見て、独力で能動的に学習することに向いていない方
(テキストを補う形での講義(解説)がないと難しいと感じる方)
・基礎から分かり易く理解しながら学習を進めていかないと気がすまない方
(かなり詳細かつ根底理解のできる解説がないと先に進めないと感じる方)
・不明点については、質問をして解決できないと先へ進めないという方
・テキストや問題集の量から判断して勉強の計画を立てるのが苦手な方
・遅れた分はどうやって取り戻すのかと言う進捗管理が苦手な方
・飽き性でいろいろな教材に手を出してしまう傾向のある方
このような方々は、テキストや問題集の「質が悪い」と早々に判断して、テキストを買い漁って時間的・経済的なロスを生む可能性があります。
心あたりがある方は、自分に合ったスタイルを見つめ直してから教材選択をしてみる必要があります。
以下の記事を読んで、もう一度考えてみてください。
時間に十分な余裕がある方なら、自分にあったテキストを探して何冊か読み比べることもできるかもしれません。
通関士の参考書や問題集はどのようなものがあるか調べて実際に手にとってみるのが一番よいのですが、
比較対象が書店に全て揃っているというわけではありません。
東京や大阪にお住まいの方でも、大きな書店に足を運んでもない書籍があります。
その見つけられない可能性の高い書籍は、公益財団法人日本関税協会が出しているものです。
人口の多い都市部の特定の書店にしか在庫を置いていません。
書店に在庫がないため転売屋が売っていたりします。
有名なテキストや問題集を出していますが、試験に出題されないような範囲や、
出題頻度の低い難問まで載せていたりします。
また、ホームページで中見検索ができるかというと、閲覧できるのは、ほんの1ページ程度です。
そのような書籍を比較対象とされるかどうかは、ご自分の判断にお任せします。
独学の持つウィークポイント
①👎テキストに関しては、自分に合った信頼のおけるものを選択できなければ時間的・経済的ロスが生じる。
これに関して、合う・合わないは自分で手に取ってみて、しばらく学習をしてみないと分からないと思います。
これは、受験まで時間があまり残されていない方にとっては大きな問題となってきます。
②👎最新情報をタイムリーに得られない可能性がある。
情報を制すものは全てを制すです。
法律改正や試験方式の変更などを踏まえた最新の情報をプロとして教えてくれる予備校や通信講座と違って全て自分で情報を収集する必要があります。
ただし、法改正の情報について最新情報をネットで配信してくれるテキストもあります。
法律改正があると昨日まで正解だった答えが、明日には陳腐な時代遅れの不正解に変わってしまいます。
また、出題傾向も変化しています。
ネット上の情報と同様で、変化に対応して更新されないような教材を選択してしまうと失敗する可能性が高まります。
こういった点が、独学の最もリスクが高い部分かもしれません。
情報や知識もなく、山に1人で登ることを想像してみてください。
冬の富士山や北アルプスでなくても遭難の危険性があると言えるでしょう。
③👎 勉強方法やメンタル面の管理と言った基礎的な部分で失敗する可能性がある。
メンタル面の管理についても、予備校や通信講座は教えてくれます。
私も勉強方法やメンタル面についての記事を書いていますが、試験を乗り切るために重要視すべき点だと思います。
④👎整合性を持たせた教材選択を自分でする必要がある。
分かりにくい点があるからといって他の出版社・会社から出ているものに安易に手を出してしまうと、説明や指導方法が違う場合があり、混乱してしまう可能性があります。
例えば、ゴルフを上達したいと思ってレッスンプロを2人も付けるようなものです。
指導方法がレッスンプロごとに異なっているかもしれません。
片方のレッスンプロはハザード(池やバンカー)も恐れず、最短コースで常に攻めの姿勢を崩さないようにとアドバイスしてくれるかもしれませんが、
もう片方のレッスンプロは、手堅く刻んで安全コースで周ってスコアを安定させるのが王道だとアドバイスしてくれるかもしれません。
前者は石川遼プロで、後者は青木功プロですね。
(レッスンプロではありませんが・・・。)
どんな分野でも言えることですが、指導方法が完全に一致するということは稀なことです。
独学では、この「教材の整合性」を自分でとることを要求されます。
要は、同じ出版社から出ているものを購入した方がいいと言うことですが、
「通関実務に関しての補強はどうしよう」といった課題が出てきます。
この点も合否の鍵を握る重要な点となってきます。
ちなみに、予備校と通信講座は整合性がある教材しか提供していないといえます。
以上、独学の強みとウィークポイントをそれぞれ見てきました。
ご自分にあったスタイルを選択して短期合格を目指しましょう。
大学で法学を専攻していたり、貿易実務を事前に勉強していても、通関士試験がどのような範囲を要求しているのかを知らなければ試験対策は難しいと言えます。
通関士試験におけるセオリーを踏まえて学習しなければ、基礎知識があって勉強方法が確立していても失敗する場合があるということです。
やはり自分に合った最良のスタイルを早くから見つけて、セオリーを踏まえて学習に挑み、合格を目指すのが一番だと思います。
社会人の方は時間管理が大変ですが、隙間時間を使って効率よく学習できれば、必ず合格ラインに到達できると思います。
合格できることを心よりお祈りしております。
ちなみに、以下の記事で短期合格のための、具体的なプランに沿ったテキスト・問題集を例示してみました。