合格を目指す上での自分のスタイルは決まりましたか?
今回は予備校について見ていこうと思います。
今回の分類に関しては、こちらの記事を読んでもらうと分かりやすいと思います。
通関士試験合格のための2つのスタイルとは
上記記事の山岳登山の例えで、シージ・スタイルか、アルパインスタイルか
要は「長期・安定型」か「短期・速攻型」かのどちらかで分類して考察してみました。
今回は「長期・安定型」の予備校について、
強み・ウィークポイントに分けて詳しく見ていきます。
目次
予備校の持つ4つの強み
長期・安定型として分類しています。
時間的な側面・経済的な側面を無視すると強みしかありません。
合格までに必要な知識が全て詰まっていると言っていいでしょう。
初学者から受験経験者まで幅広い層に対して効果が期待できます。
それでは、その強力な強みを見ていきましょう。
①最新情報を得られる大きな強みがある
法律改正や試験方式の変更などを踏まえた最新の情報をプロとして教えてくれる
という大きな強みを持っています。
法律改正があると昨日まで正解だった答えが、
明日には陳腐な時代遅れの不正解に変わってしまいます。
この点をプロとしてしっかり押さえているのが、予備校と通信講座に共通する強みです。
また、勉強方法や合格する上で必要なメンタル面が確立していない方には効果的な方法を教えてくれます。
②質問をできる強みがある
独学ではできない「質問」をできるという強みもあります。
これも、プロとして、長年の実績と経験を基に質問に答えてくれます。
法律改正など最新の情報を踏まえた答えを教えてくれるはずです。
行き詰った時のロスタイムを最小限に抑えます。
③計画をたてやすいという大きな強みがある
教材の量と所要時間が決まっているので、
どのぐらいの期間でどのぐらいの量の勉強をこなせばよいのか把握しやすくなっています。
標準的なモデルコースに沿って、
どのぐらいの勉強をこなさないといけないのか、
今自分はどの程度遅れているのかなど、進捗管理が容易です。
この進捗管理ができるか否かが合否の決め手となると言っても過言ではありません。
「質の良い焦り」と「質の悪い焦り」があり、
後者は気持ちだけ空回りするだけで、プラスに働くことはないでしょう。
進捗管理がうまくできれば、質の良い焦り方で日々の学習を進められるでしょう。
独学はこの進捗管理が単独でうまくできるかどうかが合否の鍵を握っているといえます。
④教材に整合性があるという大きな強みがある
教材に整合性があります。
独学の場合は、教材の整合性をとるのが難しくなることがあります。
分かりにくい点があるからといって他の出版社・会社から出ているものに安易に手を出してしまうと、説明や指導方法が違う場合があり、混乱して痛い目にあう可能性があります。
独学では、この教材の整合性を自分でとることを要求されます。
この点も③同様に合否の鍵を握る部分となってきます。
時間に十分な余裕がある方なら、自分にあった参考書を探して何冊か読み比べることもできるかもしれません。
しかし、通関士の参考書や問題集はどのようなものがあるか調べて実際に手にとってみるのが一番よいのですが、比較対象が書店に全て揃っているというわけではありません。
東京や大阪・神戸にお住まいの方でも、大きな書店に足を運んでもない書籍があります。
その足を運んでも無い可能性の高い書籍を扱っている法人は、
人口の多い都市部の特定の書店にしか在庫を置いていません。
書店に在庫がないから転売屋が目を付けて売ったりしている書籍となっています。
転売屋が売るだけあって、有名な参考書や問題集を出していますが、
この法人が販売する参考書は、
試験に出題されもしない範囲もまんべんなく学習させたり、
問題集に至っては、
解かなくても良いような出題頻度の低い難問を解かせたりしますので、
ご注意ください。
ネットで中見検索ができるかというと、閲覧できるのは、ほんの1ページ程度です。
私は、中身の良さを吟味してから買ってもらおうという誠実さのないような法人から本を買う必要はないと思います。
質が高ければ別ですが、この法人が出す書籍は受験用としては2線級だと私は思います。
短期合格でなくてもいいので、苦労してみたいという方は購入してもよいかもしれませんね。
先輩から勧められた参考書に安易にとびついたばかりに1年目は失敗したという例もあります。
予備校の持つウィークポイント
経済的・時間的な側面以外のウィークポイントを見出すことが難しいですね。
時間的な側面も「初学者」という個別性に着目してみると、ウィークポイントと単純には言い切れない部分があります。
①👎時間的な側面から見た場合、「時間がかかる」と言えます。
長年積み重ねてきた経験と実績に基づく教え方で、初学者にも分かりやすい講義を提供するから時間がかかるともいえます。
初学者を対象とした講義は、根本から理解した知識に基づいて考えて問題を解く力を養うと言えるのではないでしょうか。
このような講義を受けることは、受験経験者でどうしても合格できないという方にも有効でしょう。
問題慣れしてテクニックだけで解こうとして失敗しているケースに対してもかなり有効と言えるでしょう。
②👎経済的な側面で、ロスが大きい(受講料が高い)と言えます。
これは、20万円前後の自己投資を惜しむか否かという点です。学生にとっては厳しい価格かもしれません。
かと言って、出し惜しみをして予備校の講座の「つまみ食い」をするのは一番リスクが高いかもしれません。
そんなことをするなら、独学で整合性のある参考書と問題集を買った方が良いでしょう。
③ 👎時間的・経済的投資の大きさから、教材が合わないからと言って、すぐにでも他の学習方法へ移行するのが心理的に非常に難しくなってきます。
これは裏を返せば、身銭を切っているので、他に再度投資せずに粘り強く同じ教材で学習しようとする意志を固くする性質も持っていると言えます。
この観点から見ると予備校は最強レベルでしょう。
もっともこの点に関しては予備校の講義内容を調べ、熟考した上で購入なさると思いますので、
時間的な側面に重きをおいて検討されることになると思います。
以上、予備校の強みとウィークポイントをそれぞれ見てきました。
ご自分にあったスタイルを選択して合格を目指しましょう。
次回は、通信講座、独学と続きます。
以下、予備校の紹介をしています。
自分のスタイルに合ったものを自分の目で確かめて、選んでください。
通信講座・独学も視野に入れるという方は、先に上記記事をお読みください。
LEC(東京リーガルマインド)
LECは公務員を含め法律系の資格を目指す方の間で知名度が高く、信頼と実績に比例して価格も高く20万円前後となっています。講師も実務経験のあるベテランです。信頼のおける「ガイド」と言って間違いないでしょう。王道の長期安定と短期速攻の両方が選べるようになっています。
東京リーガルマインドヒューマンアカデミー
知名度が高く、信頼が置けるでしょう。市販のテキストを出していることでも知られます。こちらも質の高い「ガイド」と呼べます。予備校としては、「通学コース」と「DVDコース」があるようです。「通学コース」は入学金と授業料をあわせると30万円を超えます。やはり信頼と実績に比例した価格となっています。
ヒューマンアカデミーTAC
通学・ウェブ通信講座・DVD通信講座などの各種コースが選べます。こちらも信頼と実績に比例した価格ということで、20万円前後となっています。やはり信頼のおける「ガイド」を雇い、万全を期すとこのぐらいの出費は覚悟する必要がありますね。
日本関税協会
通学・通信講座が選択できます。こちらも信頼と実績に比例した価格ということで、16万円前後となっています。公益財団法人だけあって「ガイド」は元税関職員や元大蔵省官僚(後継は財務省)となります。 税制の優遇を受けている公益財団法人というだけあって、受講費は他と比べて安いと思いますが、人件費もそれなりに必要で大変だということでしょうか。