通関士試験直前!独学一発合格ケアレスミス対策(01)(誤認)文章問題を正しく読む

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自己採点で合格レベルに達しているにもかかわらず「ケアレスミス」で不合格になることは絶対に避けたいところですよね。

今回はケアレスミスが起こる要因として、

文章問題を読む際に起こりやすい

「誤認」について考察し、対策について書いてみました。

なお、参考にした問題は通関士ポータルに掲載されている過去問です。

私が調べた限り、以下の問題は全て「頻出・基本レベル」の問題です。

具体的にこんな問題が出るのだと理解してもらうのにも、復習のためにも良いかと思います。

また、イメージしやすいように具体的な話(実話)も入れてみました。

目次

1.誤認とは
2.具体例
 2.1.When
 2.2.Where
 2.3.Who
 2.4.What
 2.5.Why
 2.6.How
3.考察
4.対策
5.対策時間を作る

1.誤認とは

「まちがえて、ちがうものを、それと認めること」

ケアレスミスの原因はこの誤認が占める割合が多いのではないでしょうか?

通関士試験は、

誤認を生む恐れがある問題の連続と言えます。

この誤認を回避して正解を選べるかどうかを試している試験とも言えます。

法律的な文体で日本語的な混乱が発生する中で、

誤認を誘うような「ひっかけ」を多用してきます。

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こんなところでつまづかないほうがおかしい状況

なんとなく、すらすらと読んでいると、確実に罠にはまっているパターンが多いのではないでしょうか?

わざわざ誤認するように作ってあるような問題なので、

もはや、この誤認対策をケアレスミス対策として分類していいのかどうか迷うところではありますが、

参考書を十分に勉強していても、実際の試験で点が取れないのは、
問題慣れする時間が足りなくて、
以下のような「芸の細かい罠の数々」を回避しきれないからだと思います。

2.具体例

以下のような5W1Hで分類してみようと思います。

いつ(When)
どこで(Where)
だれが(Who)
なにを(What)
なぜ(Why)
どのように(How)

2.1.When

When「いつ」に着目してみます。

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「60日以内」「3年以内」「3月」といった期間が出てくる問題に関しては、

その期間(日数や年月)に関しては、自然と目に入ってくると思います。

保税蔵置場の許可を受けた者について相続があったことにより、当該許可に基づく地位を承継した者は、被相続人の死亡後90日以内に、その承継について当該保税蔵置場の所在地を所轄する税関長に承認の申請をすることができる。

第49回・関税法等・第11問より抜粋)

答えは「×=誤り」です。

90日」が間違っています。「60日」が正解です。

この日数や年月などの数字は見落とすことはないでしょう。

逆に「 日数や年月を問われている」のではないかと、注意深く見るのではないでしょうか。

注意すべきは、以下のような『「文言で」いつであるか』を問うような問題です。

「輸出申告は、当該申告に係る貨物を保税地域等に入れた後に、当該保税地域等の所在地を所轄する税関長に対してしなければならない。」

第49回・関税法等・第17問より抜粋)

答えは「×=誤り」です。

「輸出申告」は保税地域等に「入れる前または後」にすることができるので、「入れた後に」というのは間違いです。

こういう誤りである文言を正しい文章の中にさらっと放り込まれると、そのままスルーしてしまう場合があります。日数や年月などの数字が出てこない場合は特に見落としがちではないでしょうか。

さらに注意すべきは、長文のものです。

「輸入の許可の日」「承認された日」などの文言で「いつであるか」を問うような問題で、長文の場合には細心の注意が必要です。

「総合保税地域に置かれた外国貨物で、輸入申告がされた後、輸入の許可がされる前当該貨物に適用される法令の改正があったものについては、当該貨物につき当該総合保税地域に置くことが承認された日において適用される法令による。」

第49回・関税法等・第16問より抜粋)

答えは「×=誤り」です。

当該総合保税地域に置くことが承認された日において適用される法令による」は誤りです。

輸入許可の日において適用される法令による」が正解ですが、

この長文の始めの部分で「輸入許可がされる前に」というような「期間」に関する部分が重複して織り込まれています。

この点についても注意深く見ておく必要があります。

結局は、文章全体を、整理しながら注意深く見ていく必要があると思います。

単純に文章の後半にくる部分を問う問題だろうと思って解くと、文章の前半部分に罠が設置してあるというような問題もあるので、注意が必要です。

「だろう」運転は事故のもとです。

英語のように、文節で区切るなど
「見える化(トヨタ式)」対策(後述しています)
をする必要があるかもしれません。

2.2.Where

Where「どこで」に着目してみます。

場所に関しては、「貨物を入れる保税地域」とか「係留場所」などの語句を選択する問題で出題されることが多いですね。

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問題文としては以下のようなものがあります。

関税法以外の法令の規定により輸出に関して許可を必要とする貨物について特定輸出申告を行う場合には、当該貨物を外国貿易船等に積み込もうとする開港等の所在地を所轄する税関長に対してしなければならない。」

第48回・関税法等・第20問より抜粋)

答えは「×=誤り」です。

通関士ポータルの解説は以下の通りです。

特定輸出申告は、その申告に係る貨物が置かれている場所又は当該貨物を外国貿易船等に積み込もうとする開港等の所在地を所轄する税関長に対してすることができるものとされており(関税法第67条の3第1項第1号)、 関税法以外の法令の規定により輸出に関して許可を必要とする貨物について特定輸出申告を行う場合も、例外ではない(関税法第67条の3第1項第1号)。

なお、関税法第70条第1項(証明又は確認)に規定する貨物のうち、輸出貿易管理令別表第1の1の項の中欄に掲げる貨物(武器)等については関税法以外の法令の規定により)、特定輸出申告をすることができないものとされており、その輸出申告は、輸出の許可を受けるために「当該貨物を外国貿易船等に積み込もうとする開港等の所在地を所轄する税関長」ではなく「その申告に係る貨物を入れる保税地域等の所在地を所轄する税関長」に対してしなければならない(同法第67条の2第1項、第67条の3第3項、同法施行令第59条の8)。

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ややこしいことを解説で書いていますね。

要は、
輸出貿易管理令関税法以外の法令の規定)により「武器など」は、特定輸出申告をすることができないものとされているので、

その輸出申告は、輸出の許可を受けるために「当該貨物を外国貿易船等に積み込もうとする開港等の所在地を所轄する税関長」ではなく「その申告に係る貨物を入れる保税地域等の所在地を所轄する税関長」に対してしなければならないということですね。

これは「関税法以外の法令の規定により輸出に関して許可を必要とする貨物について」問われており、

「どこを」管轄している税関長かに誤りがあるという問題になります。

こういった税関長の管轄地を問う問題が多いですよね。

このようなことから、場所についても注意深くみていく必要があります。

この問題の場合は、2箇所見ておくべき点があったということです。

2.3.Who

Who「だれが」に着目してみます。

「関税法第69条の4第1項の規定により輸出差止申立てを行おうとする不正競争差止請求権者は、財務省令で定める事項について、財務大臣の意見を求め、その意見が記載された書面を当該申立てを行おうとする税関長に提出しなければならない。」

第48回・関税法等・第15問より抜粋)

答えは「×=誤り」です。

経済産業省令で定める事項について経済産業大臣の意見を求め」が正解です。
不正競争防止法ということで、所管が違うということですね。

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次の問題です。

「税関長は、育成者権を侵害する貨物に該当するか否かについての認定手続において、その認定をするために必要があると認めるときは、経済産業大臣に対し、当該認定のための参考となるべき意見を求めることができる。」

第47回・関税法等・第30問より抜粋)

答えは「×=誤り」です。

育成者権は種苗法で定められているので、農林水産省の所管となります。
経済産業大臣ではなく「農林水産大臣」となります。

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次の問題です。

「関税の徴収について税関長の引継ぎがあったときは、当該関税に係る輸入貨物の輸入地を所轄する税関長は、遅滞なく、その旨を当該貨物の関税の納税義務者に通知する。」

第47回・関税法等・第17問より抜粋)

答えは「×=誤り」です。

このような、2.2.Whereでも登場した、

どこを管轄する「税関長」かを問う問題もよく出ます。

「当該関税に係る輸入貨物の輸入地を所轄する税関長」ではなく「引継ぎを受けた税関長」が正解です。

2.4.What

What「なにが」に着目してみます。

「なにを」しなければならないかを問う問題に着目してみました。

許可や承認、届出といった文言を気にしていれば、スルーすることは少ないような気がします。

特例輸入者又は特例委託輸入者は税関長に届け出ることにより、税関長が指定した場所以外の場所で関税法第67条の検査を受けることができる。

第48回・関税法等・第21問より抜粋)

答えは「×=誤り」です。

関税法第67条に規定されている通り、「届け出ることにより」指定された場所以外で検査はできません。「許可」を受けなければならないことになっています。特例輸入者や特定委託輸入者も例外ではないということになっています。

関税法第67条です。

関税法 第六十七条
貨物を輸出し、又は輸入しようとする者は、政令で定めるところにより、当該貨物の品名並びに数量及び価格(輸入貨物(特例申告貨物を除く。)については、課税標準となるべき数量及び価格)その他必要な事項を税関長に申告し、貨物につき必要な検査を経て、その許可を受けなければならない。

輸出や輸入に関する検査を書面で届け出たぐらいで書類審査も検査もなく勝手に軽々しくされては、

「何かを入れたり抜いたり自由自在の無法地帯・関税も誤魔化し放題のならずものアイランドと日本はなってしまうので、禁止されている」ということで、「許可」がいるということですよね。

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そして、その許可の権限を持っている税関は、
「税を徴収する役目」と「関所として違法行為を取り締まる役目」を持っているということです。

以下の税関のホームページが初歩的で分かりやすいと思います。
税関キッズ「税関ってなに?税と関の仕事」


では、次の問題です。

「保税地域にある外国貨物を見本として一時持ち出そうとする場合は、輸入(納税)申告をしなければならない。」

第51回・通関実務・第14問より抜粋)

答えは「×=誤り」です。

「保税地域にある外国貨物を見本として一時持ち出そうとする場合」は、「見本の一時持出の許可の申請を行い、税関長の許可を受けなければならない」こととなっています。(関税法32条、関税令27条)

勝手に外国貨物を保税地域から持ち出すのは禁止されており、違法です。
「許可」を受けなければいけません。

「外国貨物を内国貨物にするための申告(輸入申告)」をしても「輸入の許可がおりなければ、内国貨物にはならない」ので「外国貨物(見本)の持出し」はできないということになりますよね。

輸入許可後は、内国貨物となるので「見本持出許可申請」などする必要はもちろんありません。煮るなり焼くなり、コンテナヤードの外でなら、どうにでもして良くなるのです。

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次の問題です。

「保税地域以外の場所に置くことを税関長が許可した外国貨物について改装をしようとするときは、あらかじめその旨を税関に届け出なければならない。」

第51回・関税法等・第23問より抜粋)

答えは「○=正しい」です。

内容の点検または改装、仕分け、その他の手入れについて、あらかじめその旨を税関に届け出ることにより、することができる(関税法36条2項)

逆に簡単な加工展示許可が必要です。

しかし、この考え方は、公式として通用しません。

例外として覚えないといけないことがいろいろありますので、ご注意ください。

例えば、保税工場は加工・製造・仕分けなどができます。

また、税関職員が検査のために食べても大丈夫です(みなし輸入)

(税関職員が目の前でみなし輸入しているのをみたことがあります。国のために身体を張るとは、公僕の鑑だと思いました。)

上記の問題はケアレスミスと関係はありませんが、補足的に入れてみました。

ある問題を解いても、それが全てではないので注意が必要です。例外がたくさんあります。

2.5.Why

Why「なぜ」に着目してみます。

そもそも、通関士試験では「なぜ」こういった類の問題を出題しているのか?

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それに関しては謎としか思えないような問題もあります。


奇問・難問・悪問は見切って次へ進みましょう。
「見切る目」も問題を多くこなすと養われます。

(「出題者の意図を汲んで解答しましょう」というのが問題を解く際の基本的な姿勢だと思いますが、通関士試験は意図不明なものもありますので注意が必要です)

以下のような問題は「なぜ」に着目してみる必要がありそうです。

「関税率表が改正されたことにより、適用税番が変更されたにもかかわらず、当該改正前の税番に基づき、輸入者が納税申告をしたと認められるものは、関税法第12条の2第3項(過少申告加算税)に規定する正当な理由に該当する

第51回・通関実務・第4問より抜粋)

答えは「×=誤り」です。

該当しない」が正解です。

「法の不知は害する」(法律を知らなかったからと言って抗弁はできない)

これは、法律を知らなかったからという理由は通用しないということです。

「法改正を知らなかった」は正当な理由にはならないということです。

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こんな状態で正義(法)の女神は大丈夫なのでしょうか?

日本の義務教育では、憲法をつまむ程度で、法律を教えてはくれませんが、

法治国家では「法律を知らなかったからと言う理由は通用しない」というのが常識なのです。

そういうことを知っておく必要がある問題ですね。

常識を知らないが故に、ひっかかったということになると思います。

これも厳しいですが、

「ケアレスミス」と言えるでしょう。

それにしても、最近よく思うのが「義務教育で法律をきちんと教えて欲しい」ということです。

2.6.How

How「どうして・どのように」に着目してみます。

「重加算税は、特別の手続を要しないで、納付すべき税額が確定する。」

第51回・関税法等・第18問より抜粋)

答えは「×=誤り」です。

特別の手続を要しないで、納付すべき税額が確定する」は誤りで、
税関長による賦課決定の手続きを経て納付すべき税額が確定する」
が正解です。

この問題は「どのように」税額が確定するかを知らなければ解けません。

あらかじめ法律で定まったことであり「特別の手続き感」がまったくないため、スルーしてしまわないようにする必要があります。

参考書だけで、あまり問題をこなせなかった方は「ひっかかる」問題かもしれません。

そして、問題を解くに先立って、

「複数選択式」か「択一式か」といった、どのような問われ方をされているかも確実に見る必要がありますね。

3.考察

試験の文章題の「ケアレスミス」対策というと、

「主語と述語を確認しましょう」というようなことがよく言われていると思います。

通関士試験のケアレスミス対策の場合は、

文を構成する成分のすべてを確認する必要があるのではないでしょうか。

指差し呼称だけで、乗り切れるとは思えません。

冒頭では「わざわざ誤認するように作ってあるような問題」という表現をしましたが、

上記の問題を見て、どのように思われましたか?

私は「足場を探りながら進む」というよりも、

「罠や地雷を除去しながら恐る恐る進む」と言っても大げさではないと思います。

つまり、何らかの対策をとりながら進まないと危険です。

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4.対策

自分なりのケアレスミス対策を構築して実行するようにすべきだと思います。

問題慣れするということも重要ですが、

文章題で特に長文の場合は、ケアレスミス対策に手間をかけるしかないと思います。

例えば、

「一度読み流した後で、もう一度慎重に読む(ダブル・チェック)」

「5W1Hを意識して、もう一度精査するために読む(トリプル・チェック)」

「見える化作業(トヨタ式)をする」

5W1Hの部分で重要な部分を丸や括弧で囲んだり、アンダーラインを引くなどして、ミスをしそうな部分を「見える化」します。

長文問題を以下のように「見える化」してみました。

総合保税地域に置かれた外国貨物で、輸入申告がされた後輸入の許可がされる前に当該貨物に適用される法令の改正があったものについては、当該貨物につき輸入許可の日において適用される法令による。」

場所緑の括弧でくくる
青の括弧でくくる
時期赤の括弧でくくる
重要な部分はさらに括弧でくくったり、下線をつける

(↑ちなみに上記問題はこの内容は「正しい」というのが正解です。
第49回・関税法等・第16問より抜粋し、正しい答えに修正しています )

「指差し・声出し呼称をする」

声を出すことはできないと思いますが、指でなぞるなどのアクションを入れることは重要です。声を出さずに口を動かすことでも大脳に刺激が加わって効果があるとも言われています。

5.対策時間を作る

上記のような、ケアレスミス対策に時間をかける必要があると感じた方は、

ケアレスミス対策の時間込みで試験対策をしていく必要があると思います。

日ごろから問題を解く時間を計測して、

ケアレスミス対策をする時間の余裕があるか確認しながら解きましょう。

もしケアレスミス対策をする余裕がないならば、その時間を作るために何らかの対策を考えても良いと思います。

「奇問・難問・解けない問題を見切る目を養って、無益な問題に関わる時間を減らす 」

「計算問題を早く解けるコツを知る」

(関連記事:通関士試験のケアレスミス対策(02 )(計算)計算頻度を減らす

などの効率化を図る必要があると思います。

見切ってしまえば、

「こんな罠を何重にも仕掛けて芸が細かいですね」

と思えるようになると思います。

以下の記事にて、ケアレスミス対策をまとめてみれるようにしています。


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名前:スギモト 通関士試験(平成18年度)を6か月の勉強期間を経て短期合格しました。 通関士試験に短期で合格するための情報を集めてみました。 通関士試験合格を目指す方のお役に立てれば幸いです。