通関士試験のケアレスミス対策について原因と対策を考えていきます。
合格ラインに達していても、ケアレスミスで全てが水の泡になることもあります。
絶対に避けたいケアレスミスですが、
今回は、ケアレスミス対策が最も進んでいる医療業界の例をみながら取り組むべき姿勢を考えてみたいと思います。
また、ある公益社団法人についても考えてみたいと思います。
目次
1.人は誰でも間違える
2.分析と対策の情報共有
3.情報共有は必要か?
4.ケアレスミス対策会議室
1.人は誰でも間違える
「人は誰でも間違える」という言葉を見てどのような印象を受けますか?
それは、当たり前だと思われたでしょうか?
そう思われた方はケアレスミスしにくい方のような気がします。
客観的に人間の特性を捉えられていると思うからです。
「私、失敗しないので。」と言う人は、頼もしい限りですが、少し怖い気がしませんか?
人間である限り、ケアレスミスの可能性をゼロにすることは不可能と言い切れます。
しかし、その可能性を極限まで下げる努力をすることは重要ですよね。
絶対にミスを避けなければならない業界ですぐに思いつくのが医療業界ではないでしょうか。
ミスが人命に直結するシビアな業界です。
医療業界のケアレスミス対策がどの業界よりも進んでいると考えても良いのではないでしょうか?
実際に厚生労働省が関わる国家レベルの取り組みとなっています。
そんな医療業界の対策を参考にして、ケアレスミスに取り組むべき姿勢を考えてみたいと思います。
貿易業界でもケアレスミスがきっかけで、法律違反や金銭的な損害、貨物の内容によっては人命に関わる事態につながることもあります。
そういったことも踏まえて、まずは現在の医療業界の取り組みを厚生労働省の資料を参考に簡単に見てみます。
参考資料:厚生労働省「医療安全施策の動向」
全米医学アカデミーが1999年に出版した「人は誰でも間違える」という本があります。
「人は誰でも間違える」ことを前提に、
「間違っても(事故をおこしても)障害に至らないようにするにはどうすればよいか」を提言しています。
さらに、
「重要なことは、個人を攻撃して、起こってしまった誤りをとやかくいうのではなく、
安全を確保できる方向にシステムを設計し直し、将来のエラーを減らすように専心することである」
と提言しています。
医療事故の見方は、1990年代は「医療事故はあってはならないこと」とされ、「個々人の注意で防ぐことができる」とされてきました。
しかし、上述の「人は誰でも間違える」の提言により大きく考え方が転換されました。
2000年代に入ってからは、「医療事故は起こりうること」と捉えて、「チームや組織全体の在り方を改善しなければ、防止できない」という考え方が一般的になりました。
こうした流れを受けて、厚生労働省も以下のような具体的な施策を実施しています。
①医療の安全を確保するための指針の策定
ルールやマニュアル作りを促しています。
通関士試験に当てはめると自分なりのケアレスミス予防ルールを作るということでしょうか。
② 従業者に対する研修の実施
貿易業界では、税関が非違事例の共有などの研修を実施していますね。
独学では誰も教えてくれませんが、予備校や通信講座ではケアレスミス予防のためのテクニックを教えてくれたりしますね。
③ 医療の安全を確保するための措置
院内感染防止対策、誤投薬防止対策、医療機器安全対策といった具体的な措置として、
上記①と②を徹底し、事故発生状況の報告と改善対策を実施するように促しています。
つまり、 「私、失敗しないので。」 というような言葉は、現在の医療業界ではただの気合を入れるための掛け声程度にしか捉えられなくなっているということが分かります。
2.分析と対策の情報共有
厚生労働省では、上記施策に留まらず、
医療事故調査制度というものを取り入れて、民間の第三者機関が情報を収集・分析することで、再発防止につなげて医療の安全を確保するようにしています。
「公益財団法人日本医療機能評価機構」という第三者機関は、
事故が起こった場合、事故の内容・背景・要因・改善策を調査して検討し、国民、医療機関、行政機関などと、その情報を共有します。
貿易業界では、この役割を担っているのは税関ではないでしょうか。
では、通関士試験業界ではこの役割を担う団体があるのでしょうか?
そんなものある訳ないだろうと思っていたのですが、どうも存在しています。
とある公益財団法人がそうです。
ただ、何か諸般の事情があるのかケアレスミス対策についてまとめているような気配は今のところありません。
通関士ポータルというサイトを運営しているのもこの公益財団法人なのですが、
何か諸般の事情があるのか、文殊の知恵という質問コーナーがあっても、カテゴリー整理がされておらず、どこに何の情報があるのか検索も難しい状況です(2019年9月1日現在)。
また、この通関士ポータルは過去問を掲示していますが、頻出問題かどうかまでは書いてくれていません。別表と照らし合わせて頻出問題かどうか自分で判断・分類する必要があります。
3. 情報共有は必要か?
通関士試験に関してケアレスミスについて、分かり易くまとめてあるサイトがあれば便利だと思いませんか?
ケアレスミスという痛恨の一撃を回避するために情報を共有して、対策を知ることができれば、良いと思います。
ということで
「ケアレスミス」に特化した調査・分析・対策をしてまとめてみようと思っています。
4.ケアレスミス対策会議室
ケアレスミスについて、調査・分析・対策ができるように、以下の対策会議室でまとめていってみようと思います。
「模試などで、こんなケアレスミスをしてしまった」
「こんなケアレスミスをしそうで心配だ」
という方は、下記の「お問い合わせ」に「ケアレスミス」と題名をつけて送付していただければ、考えうる対策があれば、付記してまとめてみたいと思います。
「ケアレスミス事例と対策で良いものを知っている」
というご意見も大歓迎です。
貴重なご意見を共有させていただければと思います。
<ケアレスミス対策会議室宛・投稿フォーム>