通関士試験を受ける際に、
「どのような教材や勉強方法で挑むのか?」
「自分にあった最適な受験スタイルとはどのようなものか?」
と言ったことを自分自身で吟味し、自分自身で選択して受験に臨むことは非常に重要であると考えます。
ネット検索して出てきた「教材」や「合格者の勉強方法」を採用する前に本当にそれでいいのかも含めて考えてみましょう。
目次
1.合格者の勉強方法
2.重要な判断材料
3.個性や状況
4.最適なスタイルの選択
5.マインドセット
6.君子豹変す
7.まとめ
1.合格者の勉強方法
ネット検索していると、いろいろな方の合格体験談と勉強方法が書かれたサイトを目にしますが、
紹介された教材や勉強方法を取り入れようと思う時は、何を判断材料にされていますか?
「検索すると一番上の方に表示されていて信頼できそうだから」
「独学で短期合格していて効率の良い勉強方法のようだから」
「経験や知識が豊富で教材を見る目がありそうだから」
「知人や同僚にすすめられたから」
など、いろいろな判断材料があると思います。
しかし、上記の判断材料だけで、紹介された教材や勉強方法を取り入れても大丈夫なのでしょうか?
ここで、確実に言えることがあるとしたら、次の2つぐらいではないでしょうか?
それは、
『「ある合格者の勉強方法」は実際に取り入れてやってみなければ分からない』
ということと、
『「ある合格者」の個性や状況は、あなたの個性や状況とは違う』
ということです。
2.重要な判断材料
『「ある合格者」の個性や状況は、あなたの個性や状況とは違う』
ということは、かなり重要な判断材料となってくると思います。
仮に、「ある合格者」の個性があなたと全く同じだったとしても、
時間的な側面から見て条件が同じでなければ、
同じ方法を試せば、あなたは合格できないかもしれないということになります。
個性という側面で条件が違う場合も同じことが言えます。
例えば、「ある合格者」は貿易実務や法律用語に慣れており、難解なテキストを読みこなせるという個性があるのに対して、
あなたはそうではなかったというような場合です。
同じ教材を使っているにも関わらず、何年もかかって合格する人がいるのに対して、
数ヶ月で一発合格してしまう人がいるのはなぜなのでしょうか?
それは、
『「ある合格者」の個性や状況は、あなたの個性や状況とは違う』
ということに集約されると思います。
別の言い方をすると、「主語が抜けている」とも言えます。
例えば、「履き心地の良い靴」を選ぶ際には、
「マラソン・ランナー」「登山家」
といった主語がなければ、「履き心地の良い靴」など選べるはずがありません。
また、「登山家」と言っても、
「冬山に登る登山家」、
「夏山を登る登山家」、
「沢登をする登山家」、
「ロッククライミングをする登山家」なのかによって、「靴」の種類も全く異なるものになります。
この場合には選択を誤ると生死に関わる場合があります。
教材や勉強方法を選ぶ際にも、これと同様のことが言えます。
「ある合格者」と『あなたの「個性や状況」』が違えば、選ぶべき教材や勉強方法が全く異なる物になる場合があるということです。
仮に、勉強期間が1年間ある人と、6ヶ月しか残されていない人とでは、全く状況が異なります。
それは、「登山道の整備された夏山」と「厳冬期の冬山」ほどの違いがあると言っても過言ではありません。
「個性や状況」を抜きにして、教材や勉強方法を検討することはできないということです。
3.個性や状況
あなたの「個性や状況」について例を挙げながら、具体的に考えてみましょう。
例えば、時間的な側面としての状況がそのひとつです。
残業が多い・1人暮らしをしている・通勤時間が長い・家事や育児をしているといった状況から、本試験までに残された実質的な勉強時間が決まってくると思います。
勉強方法への向き・不向きといった個性もそのひとつです。
独学が向いている人もいれば、通信講座や予備校が向いている人もいます。
予備校でも通学型が良いという人もいれば、通信型が良いという人もいます。
読む・書く・聞くなどの学習手段も、どれが最も効率が良いかは、人によって異なります。
学習計画立案や進捗管理が得意か苦手かという個性もそのひとつです。
まずは、計画を立てて、残された時間内に計画的に勉強を進め、遅れが出れば計画修正をしながら取り組むことができるかということです。
また、貿易実務や法律用語についての予備知識があるか否かという個性もそのひとつです。
大学や専門学校などで法律を学んでいたり、仕事や資格試験で貿易実務のことを知っている場合は、テキストを読む際にはストレスは少ないかもしれません。
こういった、あなたの「個性や状況」と同じ人は、この世界に1人として存在しません。
「ある合格者」と類似性があるのか否かを考慮に入れずに、「ある合格者の勉強方法」を取り入れても、合格することは難しいと言えるでしょう。
4.最適なスタイルの選択
以上のようなことを考えると、
まずは、あなたの「個性や状況」を考慮に入れつつ、どういったスタイルで受験するのが、あなたに最適なのか検討する必要があると思います。
もちろん、あなたが探し当てた「ある合格者の勉強方法」が、あなたにとって「個性や状況」を踏まえた上で最適なものであれば、迷わずそちらを選択すれば良いということです。
5.マインドセットの重要性
ただ、ひとつだけ選択する際に重要になってくることがあると思います。
それは、マインドセット(mindset)です。
マインドセットとは不動心とも訳されます。
『揺れ動くことのない、変えることが難しい「定まった精神的な姿勢や考え方」』のことです。
受験やスポーツ、仕事の世界でも「マインドセット(不動心)」が重要だと言われています。
受験勉強は、教材選びや勉強方法を決める時から始まる訳ですが、
ここで、マインドセット(不動心)ができるかどうかは重要です。
何となく選択した教材や勉強方法だと、マインドセット(不動心)ができず、
諦めずに最後まで取り組むことなどできないでしょう。
そして、なんとなく教材や勉強方法を変えるというのであれば、時間も費用も無駄になるという弊害が出てきます。
人によっては、そんな弊害は想定内かもしれませんが、
実は一番大きな弊害は、精神面に影響を及ぼす可能性があることを意識する必要があると思います。
例えば、
自分に合った最適な教材や勉強方法を吟味せず。安易に飛びついてしまった自分に嫌悪感を感じてしまうこともあるかもしれません。
選んだ教材や勉強方法に、自分の能力が及ばなかったのだと自分を過小評価してしまうこともあるかもしれません。
最悪のパターンとしては、ネットや周囲の情報に振り回された結果、自分に合わない教材を選択してしまったと責任転嫁してしまうことです。
それで、不合格になった場合は「ネットや周囲の情報に振り回された結果」と言い訳をせずにはいられないかもしれません。
この辺は考え方次第ですが、こういった思考に陥り易いということです。
もし、そういった思考に陥ってしまった場合は、わだかまりを残しつつ、何の改善点も見出せないままで、翌年の受験に向けての重い一歩を踏みだす気力が必要になってくるかもしれません。
逆に、
あなたの個性や状況を分析し、
あなたにとって最適な学習スタイルの選択をできれば、
マインドセットができ、
最後まで諦めずに勉強を継続し、
試験本番に臨むことができると思います。
さらに自分に合った効率の良い勉強方法が見つかれば、
厳しい状況の中にあっても合格を勝ち取れると思います。
仮に失敗したとしても、
言い訳を探す前に、
修正すべき点や不足のあった部分に焦点を当てて、合格に向けた反省点を洗い出す作業に取り掛かることができるでしょう。
過度に落胆したり、後悔したりせず、
気持ちを切り替えて取り組めると思います。
自分に合った教材や勉強スタイルを自分で選んだ方は、
自分自身と相談して決めたことであるため、
自己反省もし易く、立ち直りが早い傾向があります。
失敗を糧にして伸びる強さを持っていると言えます。
(そういう人は失敗した翌年も安定していますし、安心して見ていられます)
もちろん、
途中で教材や勉強方法を変更する場合でも、
後述するような状況が変わった場合は、仕方がないことは付け加えておきます。
6.君子豹変す
十分に教材や勉強方法を吟味した上で選択していても、実際に勉強を始めてみると、この「教材や方法で本当によかったのか」と迷うことがあるかもしれません。
それは、マインドセット(不動心)ができていないのでしょうか?
あなたの抱いている「迷い」というか「査定」は正しいのかもしれません。
もしかすると、「個性や状況」に関して何らかの事を考慮に入れることができていなかったのかもしれません。
もしくは、「状況」が大きく変わったのかもしれません。
もしそうであれば、速やかに教材や勉強方法を変える必要があるかもしれません。
現況を把握し、その状況に応じて策を変えることは賢明なことです。
「君子豹変す(人格者は、過ちをすみやかに改め、善に移る)」です。
7.まとめ
あなたの個性や状況を分析し、あなたにとって最適な学習スタイルの選択をできれば、マインドセットができ、最後まで諦めずに勉強を継続し、試験本番に臨むことができると思います。
さらに自分に合った効率の良い勉強方法が見つかれば、厳しい状況の中にあっても合格を勝ち取れると思います。
まずは、以下の記事を読みながら、あなたに最適なスタイルを模索してみてください。