この対策は、数年前よりネット上で公開されておりますが、現行の試験では通用しなくなっています。
ネット上には、こういった情報も出回っているということも踏まえて参考程度に読んでみてください。
ちなみに、参考程度に読み流しても意味が分からなかったという場合は、学習不足と言えますので、確認のためにも一読してみる価値はあると思います。
通関士試験の実務試験である「通関実務」には計算問題が出題されます。
計算問題で、
「電卓を叩く回数」や「数字を転記する回数」が増えると、
これに比例して、ケアレスミスが発生する確率が上昇します。
理想としては、ミス要因である計算などせずに済ませることです。
合格を確実にするための「確認作業」のためだけに電卓を叩いて計算をするというのが最も理想的です。
目次
1.ミス要因である過程をなくす
2.確認のためだけに計算をする
3.少額合算のシンプルな見分け方
4.まとめ
1.ミス要因である過程をなくす
ミスの要因で減らせるものは、どんどん減らしていくべきです。
通関士試験では、何度も電卓を叩いて計算をする必要があります。
その叩く回数に比例してケアレスミスが生じる確率も高くなることは言うまでもありません。
電卓を叩いて計算をするというような、
「ミスをする要因である過程」をなくすことができれば理想的です。
2.確認のためだけの計算をする
最も理想的なのは、
確実に合格するために、
「確認のためのだけの計算をする」ということです。
前回の記事は、
日本関税協会御墨付きの、
「少額品目の合算」における、「少額判断基準価格」の算定方法をご紹介しました。
基本的には知っておいて、使うべきであると思います。
また、前回書いた記事では、
実務試験では、計算が多く、
何度も電卓を叩かなければならないのが良く分かると思います。
その頻度をいかに減らすかを考えていく必要があるということが実感できると思います。
ただ、今回は「計算頻度を減らす」という他の記事よりも、
さらにシンプルな方法をご紹介します。
ただ、例外があることや、もはや現行の試験では通用しなくなっているため、参考程度に読んでみてください。
(オレンジ色の部分が現行の試験では通用しなくなっている対策です)
試験対策として以前は通用していた方法ですが、今は使えなくなった方法があるということ、
「実務的なやり方と試験の解き方はまったく異なることがある」ということを学ぶ機会となるのではないでしょうか?
3.少額合算のシンプルな見分け方
これが使えるのは5品目以上ある場合だけです。
また、後述の赤字の場合を除くという例外があります。
少額品目を念頭に置いて問題に取り掛かれるというメリットがあります。
例外もあるので、注意が必要な方法です。
具体的には、以下のようにすれば良いということになります。
まず、仕入書の価格を大きい順に並べます。
そして、5番目にくる価格を日本円に換算してみてください。
20万円以下となっているはずです。
もし価格が20万円を上回っていなければ、後は少額合算をしていくだけです。
仕入書の価格を高い順からならべていくと以下のようになっているはずです。
1番目>2番目>3番目>4番目(20万円以上)>5番目(20万円以下)>6番目>7番目
試験での統計品目番号欄が5欄しかないので、
仕入書に5品目以上ある場合は、5番目にくる品目の価格は「少額」でなければ解答できなくなります。
(現行の試験では、このパターンばかりではありません)
但し、こうならない場合は
「同一品目にまとめられる貨物がある」
もしくは、
「輸入申告で関税が有税となるものと、免税となるものがある」
ということです。
(現行では、上記の但し書きを確実に加味して問題を解く必要があります。
つまり、同一統計品目番号に分類され貨物がある場合はこの方法で解こうとすると確実に失敗します。「少額品目」と見当をつけていた貨物が、他の大額貨物に吸収されるということもあるからです。)
ちなみに選択肢の統計品目番号の末尾に「E」がある場合は、このような記書きがあります。
1欄に1品目のみを入力することとなる場合であって、当該1品目の申告価格が20万円以下であるときは、その統計品目番号の10桁目は「E」とする。
また、輸入の場合の少額合算は、
以下の場合は、別々に合算するということになっていることも注意する必要があります。
「関税が有税となるものと、免税となるものがある場合」
4.まとめ
少額でも、同一統計品目として、ひとつにまとめる貨物が混在しているなどの問題がなければ、この方法を使うと「確認のためだけの計算」をするだけで済みます。
(同一統計品目としてまとめられるかは、必ず確認する必要があります。)
以下の記事にケアレスミス対策をまとめてみました。