通関士試験に合格するための勉強をする上で必要な基礎知識を簡単にまとめてみました。
これは独学や短期一発合格といったことに関係なく必要な知識です。
優先順位の高いものを個別的に記事にしています。
前回は以下の記事、「通関実務」でした。
今回は「法改正」です。
目次
1.法改正
正解だった答えが、法改正によって、不正解に変わってしまう可能性があります。
このことを踏まえて、絶対にしてはいけないことがあります。
それは、
「古いテキストや問題集を買う」ということです。
なぜならば、「法改正」や「出題形式・出題傾向の変化」に対応していないからです。
古いテキストや問題集がネット上や古書店で安く売られていても絶対に買うべきではありません。
現時点で、「法改正」や「出題形式・出題傾向の変化」がないことを確認していても極力買うべきではありません。
道路地図で考えてみてください。
例えば、新しいトンネルができれば、今まで使われていた道は旧道となって、下手をすれば荒れ果てた獣道のようになってしまう可能性もあります。
そうでなくても、まっすぐトンネルを抜ければ良いだけの所を、無駄にヘアピンカーブを何度も曲がる必要が生じてくるでしょう。
道路は常に改良・整備されているため、カーナビの地図は常に更新しておかないと、ロスが多く、まともに目的地につけないかもしれません。
それだけで済めば良いのですが、地図でも山岳登山に使う地図を想像すると、古い地図を使うということは、ロスが多いどころか、リスクが高いとしか言えません。古い地図を持って登山をするのは、はっきり言って非常識です。
ルートがあった場所は、土砂崩れで断崖絶壁になっていて進めなくなっているかもしれないからです。
そこで悪天候や日没になると、遭難の可能性も出てきます。
2.施行
通関士試験のテキストや問題集も定期的に必ず更新する必要があります。
通関士試験の出題範囲は、現状では、
「7月1日で施行されているもの」となっています。
テキストや問題集の「◯◯年度版」という文字を見て、12月末で試験範囲が切り替わるものと勘違いしていると、重要な法改正に関する情報をスルーしてしまいます。
リンクより税関のホームページを一度確認することをおすすめします。
以下は、受験案内の抜粋です。
「その他関税に関する法律」とは、具体的には次のものをいいます。
(中略)
これらの科目の出題範囲は、法律のほか、それぞれの法律に基づく関係政令、省令、告示及び通達とし、令和元年7月1日(月)現在で施行されているものとします。(以下、省略)
出典:税関ホームページ「第53回通関士試験受験案内」
3.今すぐ勉強を始めたい時
次年度の受験のために、勉強を始めたいと考えている場合、
次年度版のテキストが未だ出版されていない場合は、以下の点に注意して購入してください。
「法改正情報を更新して通知する「サービス」の有効期限が切れていないもの」です。
例えば、以下のような、法改正情報を更新して通知する「サービス」が付属していて、有効期限が残っているテキストを使うようにしましょう。
読者特典
法改正追補(2020年3月末まで公開)
2019年(第53回)試験の法改正ポイントは、2019年7月上旬に、次のホームページからダウンロードできます。なお、上記ダウンロード期限は予告なく変更になることがあります。あらかじめご了承ください。
出典:通関士完全攻略ガイド2019年度版
ただし、上記テキストのサービスは、
「2019年(第53回)試験の法改正ポイント」となっているため、それ以降のことまで対応しているとは書いていません。
次年度版が出版されれば、必ず買い換えるようにしましょう。
たいていは12月頃に出版されていますが、必ず自分でネット等で調べるようにしましょう。
4.まとめ
通関士試験は、法改正も頻繁にあって、問題の出題形式や出題傾向が変わることもあるので、
常に最新版のテキストや問題集を手元に置いて学習を進めるようにしましょう。
また、最新版のテキストを使っている方も、「7月1日で施行されているもの」が出題範囲であることを念頭に置いて、法改正情報は常にアップデートしていくように心がける必要があります。
法改正情報を更新して知らせる「サービス」が付属していないテキストや問題集は購入すべきではありません。
そして、古いテキストは使用せず、次年度のテキストが出版されれば買い換えるようにしましょう。
また、法改正について、自分で調べるといったことはせず、テキストや予備校・通信講座といった信頼のおけるプロの情報を利用する方が、正確性・時間的・労力的な面で無難だということも付け加えておきます。
次回は、試験対策をする上で重要な合格基準について分析してみます。
法改正に関して、古いテキストを使うことの危険性について、もう少し詳しく知りたい方は、こちらの記事を読んでみてください。