私が実践していた方法ですが、後で知ることになって驚いたのが、この方法論がすでに出版されていたことです。残念ながら私が発明したわけではなかったと知って、かなりショックを受けました。
ちなみに、あくまで私の方法ですので、事前に自分でじっくりと吟味されてから実行に移してください。
目次
1.実践する前に
2.録音倍速再生機器の準備
3.具体的な録音方法
3.1.読み方を調べる
3.2.文章にする
3.3.対比を使う
3.4.繰り返して強調する
3.5.省略はできるだけしない
4.まとめ
1.実践する前に
実践する前に、教材選びはきっちりやってから取り掛かってください。
途中で他の教材に変えることほど無駄なことはありません。
これも他の記事を読んでいただければ自分にあった教材を選択できると思います。
また、録音する部分に関しては関連の問題を軽く解いてから、
「録音しようとしているテキストの内容や法令が、どのような形で問われるのか」
に関して基本的な問題を解いてみる方が良いでしょう。
たいていの参考書には各章や大きな区切りで簡単な問題を織り込んであると思います。
簡単な問題が載っていなければ、
教材を考え直してみた方が良いかもしれません。
また、以下の方法を実践するにはそれなりの時間的投資が必要になります。
それが面倒であると思われる方は、以下の様な倍速学習媒体(1.5倍速)がセットになっている通信講座を利用してみると良いかもしれません。
初めて講義を講義を聴く際には1倍速で聴くのではないでしょうか。
その際に、後述の録音再生機材で録音しておくと、1.5倍速よりも早い再生速度でより効率的な倍速学習をすぐに実践することが可能です。
また、この通信講座は問題集の質が高く、合格する上で最も効率良く得点できるような「頻出・基本レベルの問題」に的を絞って収載していることも強みです。
さらに、録音学習と相性の良い問題形式となっており、録音学習をされる場合は非常に使い勝手が良いと感じるはずです。
それらの問題を自分で声に出して録音していけば、それほど苦労することなく
より高次元の録音倍速学習を実践することができます。
2.録音倍速再生機器の準備
さて、始めに機材が必要ですが、録音再生ができて倍速で再生ができるものを準備します。
せっかくなら3倍速まで対応しているものをお勧めします。( 2倍速止まりのものが多いので、注意が必要です。)
上記製品のスペック→ソニーストアの製品情報ICD-PX470F
こういった器材にテキストの覚えるべき部分をどんどん録音していきます。
これを通勤時に繰り返し聞いて、慣れてきたら速度をどんどん速めて効率化を図ります。
こういった録音に特化した器材は研修後のレポートを書いたり、会議の議事録をまとめる際にも役立ちますので、そこそこのスペックのものを買いたいですね。
3.具体的な録音方法
具体的にどのように録音するかについて説明してみます。
3.1.読み方を調べる
まずは、録音すべき部分を読んでみて、読めない単語がないか確認してください。
分からなければネットで調べましょう。
公益財団法人日本関税協会が運営する通関士ポータルの「リファレンス」というところで調べると良いでしょう。以下にリンクを貼っておきます。
私が読みでひっかかった単語を挙げてみました。
委嘱(いしょく)
移入(うつしいれ)
移出(うつしだし)
瑕疵(かし)
蔵入(くらいれ)
蔵出(くらだし)
口銭(こうせん)
除斥(じょせき)
総保入(そうほいれ)
総保出(そうほだし)
艀(はしけ)
艀中(ふちゅう)
蔵置場(ぞうちじょう)
増担保(ましたんぽ)
上屋(うわや)
など
それでは、以下に例として「外国貨物と内国貨物の定義」を挙げてみましたので、これを録音用サンプルとして読んでいきます。
外国貨物と内国貨物で色分けしています。
外国貨物
①外国から本邦に到着した貨物で、輸入が許可される前のもの
②輸出の許可を受けた貨物
③外国の船舶により公海(本邦の排他的経済水域の海域および外国の排他的経済水域の海域を含む)で採捕された水産物で、輸入が許可される前のもの内国貨物
①本邦にある貨物で外国貨物でないもの
②輸入の許可を受けた貨物
③本邦の船舶により公海で採捕された水産物
④輸入を許可されたとみなされるもの
(a)日本郵便株式会社から交付された郵便物
(b)公売に付され、または売却された貨物で買受人が買い受けたもの
(c)国庫に帰属した貨物
(d)一定の貨物で関税が徴収されたもの(例)税関から返還される領置物件または差押物件で関税が徴収されたもの
あなたならどう読んでいきますか?
もちろん覚られるならどのような読み方をしてもいいと思います。
私が実践していた方法をご紹介しますので、もし良いと感じたら取り入れてみてください。
ただし、冒頭でも述べましたが、ご自分で判断された上で、ご使用ください。
最近はスマートフォンに録音機能が付いているので、そちらで試すのも良いかもしれませんね。
3.2.文章にする
単語の羅列よりも文章にした方が意味を取りやすいという方は助詞や接続語などを使って文章に仕立てあげましょう。
下記具体例の黒字部分は追加して入れました。
外国貨物とは①外国から本邦に到着した貨物で輸入が許可される前のものである
内国貨物とは①本邦にある貨物で外国貨物でないものである
3.3.対比を使う
一度に上から順に全部読みきってしまうのではなく、外国貨物と内国貨物とを対比させて自分の中で理解しながら読んでみると良いと思います。
以下、例文です。
外国貨物①外国から本邦に到着した貨物で、輸入が許可される前のもの
外国貨物②輸出の許可を受けた貨物
内国貨物①本邦にある貨物で外国貨物でないもの
内国貨物②輸入の許可を受けた貨物
普通に上記のまま読むと外国貨物①→外国貨物②→内国貨物①→外国貨物②の順番で読むと思いますが、
以下のような順番で、対比しながら読みます。
外国貨物①→内国貨物①→外国貨物②→内国貨物②
「これに対して」と接続語でつないで読むと分かりやすくなります。
(下記具体例の黒字部分は追加していれました。)
外国貨物とは①外国から本邦に到着した貨物で輸入が許可される前のものである
これに対して←対比
内国貨物とは①本邦にある貨物で外国貨物でないものである
外国貨物とは②輸出の許可を受けた貨物である
これに対して←対比
内国貨物とは②輸入の許可を受けた貨物である
3.4.繰り返して強調する
テストの重要箇所は太字や赤字で強調されていることが多いですよね。
その強調された重要箇所を繰り返して読むというのも知識定着を強化する1つの手です。
これは、時間がかかるので、どうも頭に入らない弱点部分が出てきたら使ってみると効果的かもしれません。
数字(期間)などが出てきた場合も繰り返すと効果的です。
(具体例)緑色=繰り返し
内国貨物とは
①本邦にある貨物で外国貨物でないもの である
②輸入の許可を受けた貨物 輸入の許可を受けた貨物 である
このように繰り返して強調すると意識して覚えることができます。
3.5.省略はできるだけしない
法律の条文を覚えなければならない場合は、自分なりに分かるように噛み砕いて改変したり省略して読むなどはよくありません。括弧抜き問題で間違えるかもしれません。
参考書が例示してくれている部分も重要であるからこそなので、
できるだけ読み込むようにしましょう。
ただし「分かっている」というのであれば早口で読み飛ばすというのもありだと思います。
4.まとめ
さて、どうでしょうか?面倒ですか?
どう読んでやろうか?と考えているだけで学習になっているので、効果があると思いますが、どうしても無理という方はそのまま素直に読んでいけば良いと思います。
また、最近の通信教育や予備校ではリスニング学習用CDや講義がスマートフォンで聴けるなどのリスニング教材が付属しているコースもあるようです。
そちらを繰り返し聴くだけでも効果があると思います。
とにかく「理解できない」と拒絶反応が起こっても、いったん聞き流してみるというのも1つの手です。
歌舞伎を見ても予備知識なしでも割と楽しめると思います。
(成田屋目当てで予習もせず勧進帳を見に行っても楽しめるはずです)
もちろん後から知識が入ってから見るとさらにおもしろいと感じると思います。
理解せずに漫然と録音して聞き流していれば問題が解けるようになるということではありません。
問題は各単元ごとに解いて、テキストの内容がどのような形で問われるのかを意識しながら録音していく必要があるとは思います。
通信講座や予備校を利用するにしても、独学で学習を進めるにしても、録音学習は録音するという行為自体が記憶の定着に役立ちますので、やってみる価値はあると思います。
向き不向き、残された時間との相談はあると思いますが、通勤時間を使えるメリットは大きいので、是非利用してみてください。特に自動車で通勤される方はスマホを見たりできないので、かなりおすすめです。
なお、この録音学習は以下の記事でも書いていますが、
メンタル調整にも役立ちます。