通関士試験で時間的ロスが少なく、短期間で、確実に合格を勝ち取るにはどうすればよいのでしょうか?
どのような勉強方法を選択すればよいのでしょうか?
私は周囲に流されず、最も安全・確実な最短ルートを自分で見つけることができれば良いと思います。
今日は、そのルートの見つけ方について書いてみたいと思います。
目次
1.プロのルート選択
2.「専門家」の種類
3.個別性に配慮したルート選択を!
1.プロのルート選択
みなさんは山登りをされたことはありますか?
アルピニストの野口健さんはご存知でしょうか。
1999年(25歳)の時に世界最高峰エベレストに、3度目の挑戦で登頂に成功し、当時の七大陸最高峰の世界最年少登頂記録を更新した方です。マッキンリーというエベレスト登頂よりも難しいと言われている山も制覇しています。
野口さんのようなプロの登山家は、的確なルート選択をする能力が高いということを聞いたことがあります。
回り道や難所を避けて、足場のしっかりとした安全・確実なルートを慎重に選択していくそうです。
結果として、体力の消耗も少なく、目的地にも早く着くことができます。その結果として、体力的・時間的な余裕が生まれます。その余裕は不測の事態が生じた時でも、それに対処するための時間と選択肢を増やします。
それに比べて、登山にあまり慣れていない方は、登ることだけに集中してしまって、的確なルートから外れてしまうようです。
それが雪山でなく、ある程度低い山であれば山岳遭難につながったりすることはないと思います。ただそうでない場合(雪山・高山)は遭難事故につながる可能性があり、最悪の事態に直面する場合もあるようです。
仮に頂上に登って美しい景色を眺められたとしても、下り道で膝をがくがくさせながら降りて、翌日には酷い筋肉痛で辛い思いをすることもあるかもしれません。
試験対策も同じで、正しいルートを選択できなければ、回り道をしてみたり、越える必要のない難所を越えてみたりと、しなくてもいい苦労をしてしまう場合があります。
参考書選びや過去問集に関しても、選び間違うと途方に暮れることになりかねません。
それが、振り返ってみて苦労話で終わればいいですが、合格できなかった場合は骨折り損以外の何者でもありません。
プロの登山家は広く視野を持って、多くの情報を分析しながらルートを選んでいっているそうです。もちろんそこには経験という要素も入ってくるとは思います。
では、あなたがもし登山を始めるとして、まずどこに行きますか?
いきなり、近くにある100名山に登ったりはしないですよね?
まずは、近くのスポーツショップとか登山専門店に行って、登山に詳しいスタッフにいろいろと聞いてみるのではないでしょうか?装備も買わないといけないので、ネットで調べるよりも話は早いはずです。
これが通関士試験だったとすると、書店に行くか、ネットで通信講座や予備校の資料を集めたりするのではないでしょうか。
もしくは、合格者の書いたブログを見たり、周囲にいる経験者に意見を求めたり、通関士ポータルサイトを見たりするのではないでしょうか。
2.「専門家」の種類
ここで、登山の話に戻しますと、スポーツショップに行って登山経験もない方が担当だったというのは話しにならないので、ショップに山の「専門家」がいたと仮定して話を進めます。
ショップの「専門家」は、どのぐらいの頻度で山登りに行くのか、行こうとしているのはどの山か、行くとしたらどの時期に、誰と登るのかなど、あなたがどういったレベルなのかを確認してから、適切な装備を紹介してくれると思います。また、単独で行くのは危険だと判断して、適切なガイドを紹介してくれるかもしれません。
あなたが「初心者です」と言っているのに、何も聞かないで、おすすめの高いブーツやジャケットをすすめてくるような店はすぐにでも出た方がいいでしょう。
この登山の「専門家」がした「判断」を通関士試験の場合は誰がしてくれるのでしょうか?
通学講座の場合は、講師が相談に乗ってくれる余裕があれば、それは可能でしょう。
予備校や通信講座などは、相談などしなくても「初学者向け」の講義を受講していれば、それが全て「専門家」の経験と実績に基づく「助言」になっているので、心配する必要はないでしょう。
しかし、これが独学となってくると、ネット上の情報や書店で見た教材のどれがあなたに最も適しているか判断しなければなりません。
独学の場合は基本的に、教材を自分で選んで買うので、明らかに高くて使いにくそうな参考書や余分な教材を法外な値段で掴まされることはないかもしれません。
ただし、全てを自分で判断しなければなりません。現状の自分にあった適正な品質と価格を天秤にかけて、どの教材があなたに最も合っているか決めなければならないのです。
あなたは自分自身で決断できますか?
仮に、助言してくれる方がいたとしても、あなたの個別的な事情も頭に入れて助言してくれていますか?自分の経験だけを押し売りしてくるような人ではありませんか?
「合格した私が言うのだから絶対に私の言う通りやれば間違いない!」などと断言する人はまずいないと思いますが、そういう類のことを言ってのける人とは距離を置いた方がいいように私は思います。
なぜならあなたの立場に立って物事を考えることができる人ならばそんな台詞が出てくるはずがないからです。
3.個別性に配慮したルート選択を!
受験する人にはそれぞれの個別的な事情があります。
いままでに、なんらかの試験を受験した際に、与えられた時間内で計画的に合格できた経験があるのか、
残業や通勤時間、生活スタイルを考慮して試験までの実質的な残り時間がどのぐらい残されているのか、
こういった人それぞれが持つ特性や固有の状況が存在しています。
それらをひっくるめて「個別性」ということがあります。
こういう個別性に配慮した助言をしてくれる方がいない場合でも、あなた自身が試験慣れしていて客観的な判断ができるというのであれば問題はないかもしれません。
しかし、そうでない場合は、独学でしかも短期間で合格するのは非常に難しいかもしれません。
山登りの遭難事故を調べてみてください。「山岳遭難」でいくらでも恐ろしい事例が出てきます。
単に「知識がなかった」から遭難したというだけではなく、「個別性」に配慮できていなかったが故に起こった遭難事故も多く発生していることが分かると思います。
私はこの「個別性」を重視して、段階を追って自分に合ったスタイルを選べるように意識して記事を書いているつもりです。
また、自分の実体験や同僚の体験と言った、事実に基づいた具体例を挙げながら書いていっています。
山岳登山の例がちょこちょこ出てきますが、気軽に登った低山で山岳遭難の恐ろしさに直面しないためにも以下の記事から読んでみてください。